社員からの問い合わせを約20%削減し、管理部の残業も減少!自社キャラクターを採用するなどの工夫により、従業員満足度調査では “職場活性度”の数値が向上!
1952年創業以来、配電・制御・分電・監視盤など、電気とシステムのトータルシステムソリューションを提供してきた『株式会社別川製作所』(以下、『別川製作所』)。実績と信頼性のある確かな技術力は、工場内の機械を自動制御する生産管理システムや、ビルなどの空調システム、上下水道の管理システムなど産業プラントや生活インフラをサポートする独自ソフトウェアのオーダーメイド開発など多岐にわたる事業フィールドで展開している。
同社の製品は、ハードウェアとソフトウェアの両面で日本各地の企業はもちろんのこと、官公庁、病院や教育機関、空港、鉄道などで活用されている。高品質な製品開発の一方で、課題となっていたのが社内問い合わせへの対応だった。対応を担当する管理部は総務・経理・情報システムの各グループで構成されていたが、それぞれの専門業務を担う中で、多様な問い合わせに対しての対応作業工数増と時間ロスの削減にはなかなか至らなかったという。そんな中で導入されたのがサポートチャットボットだった。以下では、同社の社内サポート効率化を目的とした導入事例を紹介する。
課題
問い合わせ対応の “たらい回し”が発生し、返答への時間ロスが増えて管理部担当者の業務効率が悪化していた。
別川製作所の管理部では、社内問い合わせに対して総務・経理・情報システムのそれぞれのグループメンバーが日々の専門業務を行いながら対応している。そのため、電話とメールでの社内問い合わせに対しては、おおまかな業務分担表をもとに対応していたという。課題となっていたのは、担当者不在時の“たらい回し”や、複数人が間接的に対応するために返答への時間ロスが増えるといった管理部担当者の業務効率の悪化だった。特に情報システムグループでは、社内の業務アプリケーション開発がメイン業務だったが、問い合わせ対応のたびに業務が中断してしまっていたという。
情報システムグループの疋田氏は「私だけでも1日に10件以上の問い合わせがあり、総務・経理グループへはさらに多くの問い合わせが集中している状況でした。問い合わせが多い内容は、文書化して社内グループウェアへ掲載し社内メールで周知するといった対策も行っていたのですが、検索がしにくく、また目的の回答までの導線がうまく確立できていなかったため、結果的に電話による問い合わせが増えるという悪循環もありました」と振り返る。
疋田氏が「いろいろと策を尽くしたのですが、課題は改善されず頭打ちの状況でした」という状況で目をつけたのがチャットボットだった。実は、「社内でチャットボットに代わるシステムを自前で開発しよう」とも考えていたそうだが、「開発コストがかかり、人員をかけることもできなかったので、理想のツールを求めていた」ところ、ユーザーローカルのサポートチャットボットと出会ったのだという。「導入に向けての説明がとにかく丁寧という印象でした。さらに弊社に合わせた活用方法をご提案いただけたことで、導入後のイメージがしやすく、“これなら使える!”と感じました。コストが自社開発するよりもかなり抑えられたことも決め手となりました。ユーザーローカル担当者の方もフットワークがとても軽く、どんな質問にも答えてくださるので導入時の不安もなかったです。また、チャットボットは24時間稼働できるので、担当者不在時や緊急時への即時対応が可能になることも魅力でした」という。
解決策・運営方法
チャットボットの導入にあたり、電話問い合わせの際にも回答が一元化され効率化につながった。導入後の調査では “職場活性度”の数値も向上。
導入にあたって、Q&A作成のノウハウがなかったという同社だが「ユーザーローカルでは各企業の課題解決に合わせたチャットボット運用ノウハウが充実していて、導入前から不安は払拭できました。当社では問い合わせの回答についてのマニュアルもなかったのですが、チャットボットの導入にあたり的確な回答内容がうまく整理され、回答文書も体系的にまとめることができたので、電話問い合わせの際にも回答が一元化されるなど返答の効率化にも役立ちました」と語る。
また、「思いがけず良い機能でした」というのはキャラクター設定の自由度だった。「より効果的に活用するためには、ユーザーにも運用者にもチャットボットに対する愛情が大事だと考えていました。そこで、十数年前に弊社の社内報で使われていたオリジナルキャラクターである“ダッシュラビットくん”を設定。弊社においてはベテラン社員には懐かしく、新人社員には新鮮なキャラで、世代差のある社員の橋渡し役としても活躍してくれています」。運用メンバーは各グループから5人が参加し、管理部長も参加している。「部長の“社内の風土を明るくしよう!”という思いから積極的にチャットボットの運用に参加され、いろんな提案をしてくれています。社内周知の一環としてチャットボットに雑談を取り入れたのですが、今では部長自身の雑談が反映されています(笑)」。さらに賞与月のタイミングには、チャットボットのキャラがダッシュラビットくんから社長に切り替わるという工夫も。「賞与の問い合わせに対して、社長の口調での受け答えを用意しています。少し手間はかかりますが、チャットボットの存在が社員には好評で、社員も私たちも楽しみながら運用しています」と疋田氏。
社員への周知に関しては、サポートチャットボットをリリースした翌月から『ダッシュラビット通信』をグループウェアで配信。新たに回答できるようになった質問内容や新機能の説明を、雑談を交えながら作成しているといい、「導入当初より周知はかなり行き届いていると感じました。今では電話やメールで確認する前にチャットボットに聞いてみよう、という社員が増えている実感もあります」という。
「弊社では毎年、従業員満足度調査を行っているのですが、サポートチャットボット導入後の調査では指標の一つである“職場活性度”の数値が向上しました。ダッシュラビットくんの存在が、職場の活性化に一役買っている部分があるかもしれないと感じています」
成果
問い合わせを約20%削減し、管理部の残業も減少!日々追加される新機能も活用し、契約当時以上の価値を実感。
サポートチャットボット導入直後から、管理部では問い合わせに対応する工数や時間が減ってきている実感が得られたという。特に、総務・経理部門では“同じような質問が減った”という声も聞かれるように。そして、全体での問い合わせ数は約20%減という結果も現れた。「時間や場所を気にせずに、また時間外でも遠慮せずに知りたいことをいつでも確認できることが大きいと思います」。24時間対応になったことで、時間外のメール問い合わせが減少、管理部での残業も減ったという。
「魅力は質問文のニュアンスから適切な回答をレコメンドする洗練された独自AI、そしてフリーワード入力の分析を簡単にできる点でしょうか。質問者の潜在的な疑問を可視化して回答を作成することができるので、“実はこれまでに多かった質問”に気付くことができました。例えば、弊社では各等級に合わせた社内資格試験制度があるのですが、以前は試験前になると過去問題に関する質問が多かったんです。こうした季節やタイミングで瞬間的に急増する問い合わせに対しても、チャットボットが役立っています」。
疋田氏は、サポートチャットボットに新しい機能が日々追加されていることにも着目。「チャットボット内でフォームを出せる機能が使えるようになったり、クリックひとつでPowerPointレポートが作成できる機能が追加されたり。こうした新機能や新バージョンは管理画面ですぐ確認できます。使いたい機能は即時活用しており、契約当時以上の価値を感じています」と語る。
今後は、「他部門でも活用できそうならチャットボットの運用を広げていきたいですね」という展望も。さらに、チャットボット用に作ったシナリオを元にFAQページを簡単に作成できる『AI FAQシステム』の導入も視野に入れているという。また、「絵心のある社員が考案したキャラクターを募集、採用して運用するのも面白いのでは、と考えています。キャラクターの“人柄”でチャットボットの魅力が膨らむと感じているので、こうした企画で社員の交流が広がり、社内コミュニケーションが深まるのでは、と思っています」。
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