問い合わせる側のストレス軽減&利便性向上と、問い合わせ対応業務の効率化。その両方を実現するサポートチャットボット活用術!

昭和46年創業以来「まごころこめておつきあい」をモットーに引越一筋で50年を迎えた『株式会社サカイ引越センター』(以下、『サカイ引越センター』)。日本全国に200支社を超えるネットワークと数々の業界初となる引越ノウハウを提供してきた実績を誇り、売上高は2021年3月期に8年連続業界No.1を達成。2021年オリコン顧客満足度調査®では、引越し部門で総合1位を獲得するなど、絶大な支持を集めている。

全国47都道府県に200以上ある全社直営、6000人以上の従業員を要する。技術の研鑽、継承と時代に合わせた仕組みづくり、改善をつねに図り、業界のリーディングカンパニーとして成長を続けている。2020年に、社内問い合わせ用と、お客様用のサポートチャットボットを導入。1本の電話に込めるまごころを大切にしながらも、新たなコミュニケーションの在り方へとシフトチェンジを図った。ここでは、その経緯と効果について話を伺った。

総務部 主任 北川 義季 氏(写真左)
経営企画部 リーダー 大西 惇 氏(写真右)

課題

増え続ける社内外の電話対応。問い合わせる対応も、メンテナンスも“属人化させないツール”の導入が急務となっていた。

業界トップの実績を誇る『サカイ引越センター』。堅調な成長を続ける中、日本全国に拠点数が増えるに連れ、本社には全国からの問い合わせが集中するようになった。大西氏は「増え続ける電話対応、各部署担当者への取り次ぎ業務のために、本来の業務が圧迫される中、業務改善と作業効率化は急務となっていました」と当時を振り返る。北川氏によると、一時は対応策として、社内システムのFAQを拡充することで、社内問い合わせの改善を図ろうとしたものの「FAQの修正作業を行えるのはシステムを使えるごく一部のスタッフのみでしたので、修正や新たな情報追加に時間がかかったり、使いづらさもあり、結果的に電話での問い合わせからの脱却ができなかったんです」という。

そうした経緯もあり、電話対応もツールのメンテナンスも属人化させない対応を目的としてサポートチャットボットの導入を決定した。決め手となったのは、運用もメンテナンスも誰もが使いこなせるUI・UXと、スムーズな会話形式を実現する自然言語に特化したAI、そしてあらゆる角度からのデータ分析を可能にする多彩な機能性だったという。

導入にあたっては、社内システムに設置したFAQを元に、内容の精査と文言の統一を施してシナリオを組み込んだという。その際、「類義語設定などのノウハウ的な部分やシナリオのチャットボット化はユーザーローカルの担当者様が手厚くフォローして下さったので、想像以上にスムーズに導入できました」とは大西氏。社内向けのチャットボットの導入はスムーズに進み、また利便性と機能性もしっかりと実感できたことで、3ヶ月後にはお客様向けのサポートチャットボットの導入も決めたという。

解決策・運営方法

よくある問い合わせを集約し、適切なチャットボットを設計。それぞれの部署の担当者が回答を追加・修正でき、メンテナンスを属人化させずに運用!

その一方で、「お客さまからのお問い合わせは、各支社で受けており、本社スタッフだけでは効果的なチャットボットの構築が難しいのでは?と感じていました」とは大西氏。そこで、現場担当者と各部署のメンバーによるプロジェクトを立ち上げることに。現場担当者はよくある問い合わせを集約してシナリオを作成し、回答は各部署の専門スタッフに精査をしてもらうことで、「より適切なチャットボットの設計ができました」(大西氏)

現在は社内向けとお客さま向け、2つのサポートチャットボットを運用して約1年が経過。その使用感について大西氏は「誰でも直感的に触って、見て、データも簡単に落とすことができる管理画面の使いやすさが魅力。特に管理画面上に疑問点を教えてくれるチャットボットが設置されているのですが、とても優秀で活用しています。初めて扱う人からも『使いやすい!』という声が出るほどで、今ではそれぞれの部署の担当者が、回答を作成・修正を行っています」と、メンテナンスを属人化させずに運用できているという。

管理画面上にあるサポートチャットボット「ゆうこさん」。
管理画面を操作する上での不明点や疑問点には的確な回答を示してくれる

北川氏は「使いやすさだけでなく、機能がユーザー目線でどんどんアップデートされていくのは大きな魅力と感じています。ランニングコストが安価なうえ、そもそも不便だと気付いていなかった部分が、さらに使いやすくバージョンアップされていくので、企業努力をされているんだなと感じています。

導入当初よりも、さらに管理画面が使いやすくなったと感じています」と語る。また、ユーザーが“本当に聞きたいこと”を視覚化できることがサポートチャットボットの他にはない強みとも。「未解決にたどり着いた場合、会話履歴から質問者が“どこでつまずいたのか?”や“本当に困っていること”を探ることができるので、履歴の分析からチャットボットの改善に役立てています」という。

成果

定型的な問い合わせが減少し、個別対応に時間を取れるように。さらにサポートチャットボットに即時回答できる環境を整えることで、ストレスの軽減と作業効率の向上を実現!

社内向けのサポートチャットボットにおいては、「電話での問い合わせ内容が変化してきました」とは大西氏。「これまでは、定型的な質問が全国から集まり、膨大な対応数でしたが、今ではイレギュラーな案件に集約されてきました」という。また、「会話履歴と照らし合わせることで、どの時間帯にどんな問い合わせが集中していたかがわかるようになったのは大きな成果です。問い合わせは、営業や現場から帰社した夕方以降に集中しがちです。その時間帯に本社が対応できなければ返答に1日かかる可能性も。サポートチャットボットに回答を準備しておくことで、即時回答できる環境を整えることも可能です。問い合わせる側のストレスも軽減され、受ける側の作業効率も上がるという効果も得られています」とは北川氏。

一方で、お客さま向けのサポートチャットボットでも定型的な問い合わせについては解決が図れていることで、ユーザビリティの向上に貢献。また、問い合わせ時間の制限がなくなったことも強みだという。お客さま向けサポートチャットボットの導入に加えてユーザーローカルが提供するアクセス解析ツール『User Insight』(詳細はhttps://ui.userlocal.jp/を参照)もホームページの利便性向上を図るために導入したが、User Insightとサポートチャットボットの相乗効果も実感しているという。大西氏は「サポートチャットボットと同様に、User Insightも管理画面がすごく使いやすく、クリックひとつで欲しいデータが的確に出てくる夢のようなツールです(笑)。アクセス解析が手軽にできることで、ホームページ上のどのポイントで不明点が発生していたのかがわかるのは大きな気づきです。説明不足だった部分や改善点が見えてくるので重宝しています」とその手応えを。今では、ホームページのロードマップとしての利便性向上にも役立っているという。

今後の展望について「利便性と同様に面白さも大事だと思っています。遊び心を取り入れた人間味のあるチャットボットにしていくことでお客さまに“使ってみようかな?”と思っていただけるようにしていきたいですね」と北川氏。さらに、「お引越の申込みから完了まで、サポートチャットボットで完結、というのが今後の展望です」と話す。大西氏は「“まごころこめておつきあい”がモットーの当社ですので、一本の電話を大切にする文化はしっかりと継承しながらも、サポートチャットボットという問い合わせフォームもフル活用していく。そうすることで、これまで以上にお客さま目線で利便性を高めた“まごころこめたおつきあい”を追求していきたい、と考えています」。

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