家庭用カセットこんろの需要増加に伴い問い合わせが増えるなか、電話対応件数は前年比24%削減! “とっつきやすい”管理画面と豊富な機能で、運用担当もお客様も楽しめるチャットボット運用を実現

エネルギー、産業ガス、マテリアル、食品など幅広い商品やサービスを暮らしや産業に提供する『岩谷産業株式会社』。『イワタニブランド』として広く知られる同社は1930年に創業し、1953年には日本初となる家庭用プロパンガスの全国販売を開始。2022年現在で、全国330万世帯以上で利用されているLPガスブランド『MaruiGas』や、国内シェア約70%のバイオマスPET樹脂など、多彩な事業を展開している。また、水素事業のリーディングカンパニーとしても知られており2020年には『岩谷水素技術研究所』を設立。水素エネルギー・脱炭素社会の実現に向けた活動にも取り組み続けている。

1969年に発売を開始し、国内シェアNo.1を誇るカセットこんろ・カセットボンベは家庭ではもちろん、レジャーでも重宝する『イワタニブランド』の多彩な商品ラインナップは、幅広い層から人気と支持を集めている。需要が増え続ける一方で、課題となっていたのが商品への問い合わせ対応だった。そこで2021年5月に導入したのがサポートチャットボット。今回は、お客様総合サービス部の広住氏に、問い合わせ対応業務を改善させた活用方法や遊び心を取り入れた運用の工夫についてなど、幅広くお話を伺った。

岩谷産業株式会社
岩谷産業株式会社
総合エネルギー事業本部 カートリッジガス本部
お客様総合サービス部 担当部長
広住 康子 氏(右)
加芝 寛 氏(左)

課題

家庭用カセットこんろの需要増により問い合わせ数は10年間で2.6倍に!
定型的な回答で解決できるような問い合わせ対応の自動化を目指し、“とっつきやすさ”が魅力のサポートチャットボットを導入

地震などの災害やコロナ禍による備え、アウトドアブームなどもあり家庭用カセットこんろの需要が増えたことで、ここ10年間で問い合わせ数は2.6倍に激増していた。そんな中で、“使用期限”や“使い終わったボンベの処理方法”といった定型的な回答で解決できる問い合わせも増え続けていた。

同社では電話問い合わせが90%以上で、その対応はコールセンターのスタッフ7名が対応していた。「処理方法についてのお問い合わせや使用期限といった、同じ回答で解決するお問い合わせが多く、個別対応が必要な問い合わせにしっかり対応するための改善策を探していました。レジャーシーズンや年末年始などの繁忙期には普段から多い電話での問い合わせがさらに激増するので、スタッフは疲弊するばかりでした」と広住氏は当時を振り返る。

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そんな中で導入したのがサポートチャットボット。「誰が見てもわかりやすい管理画面と使い勝手の良さ。分析ツールについては難しいイメージを持っていたのですが、ユーザーローカル社のツールはカラフルなグラフで見るべき数値が一目でわかり、“とっつきやすさ”が大きな魅力と感じています。弊社には私も含めてアナログな社員が多いのですが(笑)、デジタルに詳しくない私でも理解できるように、ゼロから丁寧に教えていただける優しいサポート対応も導入の大きなポイントになりました」

導入から運用スタートまでの工程も苦労なく進められたという。「もともと電話対応用のFAQがあり、その中から質問の多い回答を500個ほど抽出してフォーマットへ落とし込みました。作業は二人で行いましたが、通常業務をしながらでも1週間ほどで完成できたので、思っていたよりも面倒ではなかったです。FAQがある程度、整っていればデジタルに詳しくない方でも。素早く導入できると思います」と広住氏。

解決策・運営方法

文字装飾や動画をつかった回答など、文章だけでは伝わりづらい回答にひと工夫!『ボンベくん』をアイコンに採用し、運用担当もお客様も楽しめるチャットボット運用を実現。

日々の運用についてお話を伺うと、「なんといってもシナリオフロー設定の簡単さが特徴的。追加や修正が発生してもすぐ対応できるのがいいですね。暖房機などシーズン商品のシナリオフローの変更も、管理画面からドラッグするだけで移動できるのでとても簡単でびっくりしました。」と感覚的に扱えるので、チャットボットの運用を楽しめている様子を笑顔で語る。また、チャットボットのアイコンについても、「アイコンを『ボンベくん』にしたところ反応が良く、今後は『ボンベくん』のポーズバリエーションを増やしたり、新しく『コンロくん』というキャラを作ったりしても面白いかな、と考えています」という。

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岩谷産業株式会社

回答の作成でも工夫をしており、強調したいテキストは文字色を変えたり、アンダーバーや太字にしたりすることも手軽できるため、読みやすさと伝わりやすさにひと工夫を取り入れやすい点も評価しているという。ほかにも、案内する内容にあわせて、動画で回答する方法もとっている。「細かな説明が必要な回答でも、文字が多いと読まない人も多くなってしまうのでは…という懸念点から、動画でお答えする回答も設けています。例えばカセットボンベのガス抜きの方法などは、動画であれば一目瞭然です。やはり、取り扱う商品が危険物ですので、文字だけでは分かりづらいケースも多々あります。動画でご回答することで納得度が増し、より安心して使っていただけるのでは、と感じています」

動画を回答に組み込む作業も手軽で、管理画面内の動画アップロード画面から商品解説などの動画をつぎつぎに取り込んでいるほか、You Tubeにあげている動画を転用することもできる。「弊社の社員が登場するYouTubeチャンネル『イワタニまるっとch【公式】』と連動した回答動画をご用意するなど、お客様により面白くお伝えできるようなアイデアも盛り込んでいきたいと考えています」と、お客様が楽しんで回答を得ることのできる工夫にも意欲的だ。

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岩谷産業株式会社 岩谷産業株式会社

また、 運用体制についても、広住氏とコールセンターのスタッフで毎日5~10分ほどの意見交換を行っているという。回答の修正や追加ポイントの確認に加えて、ガス関連の事故報道があった際は、問い合わせの増えそうな内容を想定し表記ゆれが起きそうな言葉を辞書登録したり、新たに予測される質問の回答を準備するといった事前対応も行っている。チャットボットの運用担当と、問い合わせ対応担当がしっかりと意思疎通を図ることで、効果的な改善を可能にしている。

成果

電話対応件数は前年比24%削減を実現!ひとつの回答から関連する回答同士をリンクさせることで問題解決率の改善にも成功。今後は海外進出のなかで多言語対応も検討中

サポートチャットボットを導入した2021年は、需要増加により問い合わせ件数が激増している中でも、前年と比較して電話対応件数24%削減に成功した。特に、スマートフォンを利用しているお客様については、電話問い合わせの前にチャットボットを経由するケースが増えているという。「カセットボンベの廃棄方法として、東京本社・大阪本社へ持ち込めることをチャットボットの回答で明記したところ、持ち込んでいただくお客様が増えました。その際に“チャットボットを見ました”というお声をたくさんいただけたので、使ってくださっている実感を得ています」

また、同社ではカセットボンベについての問い合わせ一つをとっても、“ガス抜きについて”、“消費期限について”、“製造年月日について”など複数の質問が紐付けられるケースも多い。そこで、それぞれの回答から関連する他の回答へのリンクも表示するようにした(画像2参照)ことで解決率の向上にも直結し、現在では、未解決率は10%以下にまで改善された。広住氏は「解決率や利用率の向上などの目標を設定して、工夫を取り入れていく運営業務はいわばゲーム感覚なんです(笑)。サポートチャットボットには、さまざまな機能があるので、もっと面白いアイデアがないかな、と楽しみながら運営をしています」と語る。

新たな機能が実装されるたびにユーザーローカル社のサポート担当者に相談をしているという広住氏に、今後の展望を伺うと「お客様の目を惹くような遊び心を取り入れながら、さらにご要望にお答えできる内容にブラッシュアップしていきたいですね。SNSや各種アプリとの連携、ほかのITツールとのAPI連携を深めてさらなる相乗効果も作り出したいです。また、イワタニの商品は海外進出も拡大する方針なので、今後は英語や中国語への対応も想定しています」と力強く語った。

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