オンライン予約の増加に伴い問い合わせも複雑化
WEB・電話・店舗での対応が追いつかなくなった繁忙状況を一転させた“ユーザー視点のチャットボット活用方法”へと迫る!

1912年、『ジャパン・ツーリスト・ビューロー』として創立以来、1世紀を超える歴史を誇る大手旅行会社。国内外の多彩なパッケージツアーを展開、「ツーリズム」「エリアソリューション」「ビジネスソリューション」を事業領域に、ツーリズムを基盤として進化しながら地域の魅力と企業の特長を活かしたシナジーを追求することで、旅の魅力と感動を提供し続けている。

こうした旅の安心感を裏付ける同社の細やかなカスタマーサポートも大きな魅力のひとつ。
2022年10月、政府によって『全国旅行支援(全国を対象とした観光需要喚起策)』がはじまると、“お客様にとって必要な情報”を即座に提供するための体制を模索。WEB・電話・店舗での対応を補填する為に、新たにサポートチャットボットを導入した。その後、蓄積された“ユーザー視点のチャットボット活用方法”は、悪天候・災害時の問合せ対応にも活かされているという。
ここでは、増加する問い合わせを削減させながら、細やかな対応を実現させた当社の活用事例をお届けする。

株式会社JTB
Web販売事業部 営業推進部 営業推進課 大石 麗奈 氏
Web販売事業部 営業管理部 カスタマーサポート課 佐藤 郁絵 氏

課題

2022年10月『全国旅行支援』の制度開始に伴い、旅行の問い合わせが急増! 1日に300件以上もの電話問い合わせが殺到するなか、店舗での問い合わせも激増…全国旅行支援専用の電話窓口「特設デスク」の終了も迫る中、お客様に即時回答できるツール導入が急務に!

国内外の多彩なツアーを提供し、細やかなサポートで安心感のある旅を堪能できることから幅広く支持を集めている『JTB』。近年はインターネットでの予約も急増したことで、店舗、電話に加えてWEBへの予約問い合わせも増加。さらに2022年10月に観光需要喚起策『全国旅行支援』が実施され、報道がされるたびに問い合わせは激増したという。当時のことを佐藤氏に伺うと、「ホームページ上に『全国旅行支援』の制度説明のための特設ページを開設、それとともに「特設デスク」として、電話窓口も開設しました。ただ、電話でのお問い合わせ数は増加の一途で、繁忙時では1日に300件を超えることもありました」という。お問い合わせ内容としては、予約前、予約後の制度に関する質問や、緊急性を要する問い合わせ(旅行中の制度利用に関することなど)も混在していたそうだ。また店舗やWEBといった予約方法によって回答内容も異なるため、「それぞれのお客様に対して丁寧なご対応が必要でした」(佐藤氏)と、問い合わせの課題が山積していたという。

株式会社JTB Web販売事業部 営業管理部 カスタマーサポート課 佐藤 郁絵 氏

当時、WEB申込み者に対するカスタマーサポートを担当していた佐藤氏は「WEBや電話でのお問い合わせだけでなく、店舗では、朝から多くのお客様にお越しいただき、どの販売チャネルも、これまでにない忙しさでした。お客様をお待たせしてしまうこともあり、スタッフにとっても心苦しい日々が続いていました」と振り返るほど。

ただ、WEBや電話、店舗で多くの問い合わせを受ける中で、質問に対する回答が定型化されていったという。そこで、OMO(Online Merges with Offline)推進担当でもある大石氏は「店舗、電話、WEB、それぞれの販売チャネルでの課題を解決しなければならない…と考えた時に、社内イントラで既に活用していたユーザーローカル社のサポートチャットボットが有用なのでは」と導入へ向けた検討を開始した。

「情報の溢れるいまの時代、“WEBページやFAQを全部読んで、自分の知りたいことは、自分で答えを見つけてください”などというスタンスではいられません。それでは、お客様もストレスを感じてしまいます。だからこそ、情報の環境整備が必要でした。≪お客様が知りたい情報をピンポイントで検索できること≫、そして≪そこにわかりやすいご案内を整備すること≫が求められていました。そこで、質問に対して即座に回答をご提供できるサポートチャットボットだったら、この課題を解決できるはず!と、採用を決めました」と語る。

解決策・運営方法

『全国旅行支援』の説明に特化したチャットボットとして、運用をスタート! ユーザーの質問傾向とニーズを管理画面で分析し、“お客様の生の声”に即座に応えられるよう改善を徹底!チャットボット回答から得られた“お客様の生の声”は、ホームページ上の表記改善にも活用し、顧客体験の改善へ

同社では、2023年春より『全国旅行支援』に特化したサポートチャットボットを設置。「『全国旅行支援』の電話窓口である「特設デスク」終了後、お問い合わせの“受け皿”として運用をスタートしました。弊社では初めてのBtoC向けチャットボットの本格導入ということで、万全を期したいという気持ちがあったのですが、急いで導入する必要性もあり…当初は不安もありました。ただ、ユーザーローカル社に相談してみると、とても丁寧なサポートをいただけて、最短ルートで運用をスタートすることができました!運用開始直後は、まず『全国旅行支援』の説明ページのFAQをベースに、回答文は短くし、何よりもお客様へのわかりやすさを意識したチャットボットを目指しました」と大石氏は話す。

株式会社JTB Web販売事業部 営業推進部 営業推進課 大石 麗奈 氏

さらに大石氏は「制度の説明に特化したチャットボットとしてスタートしましたが、運用してみるとお客様の本当に知りたいことや、つまずいていることが見えてきたのです。お客様の質問傾向から得た気づきは、随時チャットボットの改善に活かしていきました。例えば、『全国旅行支援』制度変更時の留意点などは、とてもよく聞かれる質問だったので、チャットボットのトップに独立した設問として配置して、最適化を図りました。

また、質問傾向から得られた気づきは、チャットボットだけでなく、『全国旅行支援』の制度説明ページにも活かしました。“お客様の生の声”によって、正しい情報を伝えるために用いた丁寧な表現が、お客様にとってはかえってわかりづらかった…といった事実にも気づくことができましたね。こうしてチャットボットから得られた気づきは、表現や表記はもとより、レイアウトの見直しにも活かすことができ、ページ全体での顧客体験改善に繋がりました」と話す。

運用するうえでの使用感について、佐藤氏は「ツールの運用経験がなくても容易に編集・操作ができ、レポートも簡単に作成できるので、適切な修正箇所に気づきやすいのです」という。さらに、チャットボットに届いた問い合わせ内容を分析して、ユーザーがよく使う単語を類義語登録し、回答に用いるようにした。「例えば、“取消”と“キャンセル”は同じ意味で使われますが、お客様が入力する表現は様々です。どちらを入力しても同じ答えにたどり着けるように、この機能を活用しました。また『全国旅行支援』の特性として、都道府県ごとのご案内も必要になるのですが、チャットボット上でお客様が行きたい都道府県名を入力するだけでその情報が記載されているページへの導線が回答に出てくるような工夫も行いました」

また、アイコンやレイアウトにもひと工夫。「お問い合わせの際に、有人チャットではないことをわかっていただく必要があり、またお気軽に使っていただけるようにと“FAQ”という文字アイコンに。説明文の文字色やフォント、フレーム幅も自在に調整できてすごく便利です。調整したレイアウトはお客様の反応を見ながら短いスパンで使っていただきやすいものへと改修していきました」(大石氏)。

成果

サポートチャットボットで、カスタマーサポートをさらに改善!
『全国旅行支援』繁忙期には1日1,000名以上からのお問い合わせをサポートチャットボットで対応!蓄積されたユーザー視点のチャットボット活用ノウハウは、『悪天候・災害等発生時のご案内』で活用中

サポートチャットボットの導入後、『全国旅行支援』に対する定型的な電話問い合わせは日に日に減少。一方で、チャットボットの利用者数は繁忙時には1日に1,000名以上に! 「導入前の電話がつながらない、店舗でご対応できないという状況からはだいぶ変化がありました。ホームページも以前よりよく見ていただけるようになり、ページの価値が高まったと感じています」とは大石氏。また、「お客様から、ホームページの使い心地について、リアルタイムで声を聞く機会はなかなかないですが、チャットボットでは、お客様のお困りの声がダイレクトに届きます。こうしたこれまで知ることのなかった“潜在的なご要望”という大切な気づきとなり、サイト設計の見直し、業務改善の体制を敷くことができるようになりました」と導入効果についても。

佐藤氏は「制度には複雑なルールもあり、ご案内時に資料を探すだけで大変!ということもありましたが、適切なご説明をするうえで社員もサポートチャットボットを活用していました。回答が用意されているので、お客様にとっても、お答えする私たちにとってもストレスが軽減されたと感じています」と笑顔をみせる。

そして、同社では2023年8月より、『悪天候・災害等発生時のご案内専用チャットボット』の運用もスタート。佐藤氏は「2023年6月の台風発生時に交通機関の欠便も相次いで発生し、多くのお問い合わせが入りました。そのときに、サポートチャットボットなら電話とは違い、繋がらないこともないですし…すぐに回答が欲しいお客様に対しても適切に即時ご回答ができるのでは?と考え、導入を進言しました。お客様が必要としている情報をスムーズに回答できるので、多くのお客様にご利用いただいています」という。こちらも、多い時には1日に1,000名以上のお客様のお悩みを解決しているそうだ。

こうした成功事例をベースに今後もさらに活用していきたいと語るのは大石氏。「お客様の課題を解決するツールとして導入しましたが、お客様のニーズに即した活用方法はまだまだ可能性があると感じています。今後の活用も検討したいと考えています」

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