アフターコロナの問い合わせ急増にも回答率94%の高精度で対応!
AIチャットボットで営業時間外のお客さまサポートを実現、直感的な管理画面でユーザーニーズにも迅速対応

東京・新宿を起点とする京王線と、渋谷~吉祥寺を結ぶ京王井の頭線からなる、東京都西部と神奈川県にまたがる84.7キロの路線において、1日に152万人(2022年度)を輸送する『京王電鉄株式会社』(以下、京王電鉄)。各線ターミナルとなる新宿駅は1日61万人、渋谷駅は1日27万人が利用し、東京西部一帯を基盤に『京王グループ』の総合力を生かした多角的な事業を展開、地域社会の発展と沿線価値の向上に取り組み続けている。

有料の座席指定列車「京王ライナー」の運行や、予約可能なアプリサービスなどの利便性・快適性の向上に向けたサービス拡充、自然と共生するまちづくり、近年では省エネルギー化などの環境対策、DX推進などに取り組み、常に「信頼のトップブランド」を目指している。京王電鉄では、繁忙するお客さま問合せを緩和し業務効率化を推進するべく、2023年4月にお客さま向けにサポートチャットボットを導入。多様化する問い合わせニーズに対して、チャットボットがどのように機能しているのか? その導入プロセスと活用方法などを紹介していく。

京王電鉄株式会社:鉄道事業本部 鉄道営業部 営業管理所 平石 慶太郎 氏、経営統括本部 IT管理部 グループIT担当 粟 圭史郎 氏
京王電鉄株式会社
鉄道事業本部 鉄道営業部 営業管理所 平石 慶太郎 氏
経営統括本部 IT管理部 グループIT担当 粟 圭史郎 氏

課題

繁忙期には1日200件超の問い合わせ!
京王電鉄が24時間対応を実現するために選んだAIチャットボットとは

1日に152万人(2022年度)の乗客を運ぶ京王電鉄では、運行状況やチケット購入、忘れ物などの問い合わせは、繁忙期で月に3,000件以上にのぼり、中でも電話でのお問い合わせが3分の2以上を占めているという。駅係員を経て、現在は事業本部のお客さまセンターに勤務する平石氏に伺うと「1日平均70件ほど、繁忙期には200件以上のお問い合わせをいただきます。しかし、問い合わせ対応は9時から18時と時間が限られており、始発前から終電後までお問い合わせのケアができていないのが実情でした。お客さまをスムーズにご案内し利便性の向上させるため、24時間対応可能なAIを搭載したチャットボットの必要性を感じていました」という。

京王電鉄株式会社 鉄道事業本部 鉄道営業部 営業管理所 平石 慶太郎 氏
京王電鉄株式会社 鉄道事業本部 鉄道営業部 営業管理所 平石 慶太郎 氏

IT管理部で社内の業務改善などを担当する粟氏は「お問い合わせについては、各部署との連携も重要ですが、やはり直接ご対応をするお客さまセンターの解決力が何よりも大切だと考えていました。お客さまに対して間違いのない回答を常にご用意するために、他部署で活用していたサポートチャットボットの効果を確認し、導入へと動きました」という。

京王電鉄株式会社 経営統括本部 IT管理部 グループIT担当 粟 圭史郎 氏
京王電鉄株式会社 経営統括本部 IT管理部 グループIT担当 粟 圭史郎 氏

導入時に決め手となったのは、ITツールに詳しくないお客さまセンターの担当者が継続的に管理運用できるかどうか。「その点でサポートチャットボットは、管理画面を誰でも直感的に操作でき、選択式のシナリオと一問一答の両方を一括して管理できることに大きな魅力を感じました。サポート体制がとても充実しているので、導入後も継続して管理できているのも大切なポイントです」(粟氏)また、セキュリティ面での安全性・信頼性の高さも大きな後押しになったという。

平石氏は「実際に触ってみたところ、現場感覚で“これなら使えそうだ”という感触が想像以上でした。グラフやレポートも見やすく、直感的に使えるうえ、お客さまにとっても使いやすいと感じました」と話す。こうして2023年4月にサポートチャットボットを導入した。

解決策・運営方法

誰でも使いやすい管理画面とキーワード自動抽出で、お客さまのニーズに沿った迅速なメンテナンスを実現!
公式キャラ『けい太くん』と『しんごくん』を案内役に採用

サポートチャットボットの導入後は、ホームページ上に掲載していたお問い合わせ電話番号を削除し、お問い合わせやご意見・ご要望はすべてチャットボットへと誘導する動線に変更した。

Q&Aの作成に当たっては、同社ホームページに用意していたFAQをベースにシナリオを構築。シナリオに組み込むのが難しいピンポイントな質問は、一問一答で回答を用意するなど、利用者のスムーズな動線を何よりも意識して構築した。平石氏と粟氏は、管理画面で利用状況を共有・意見交換をしながら、部署を超えてメンテナンスを行っている。「チャットボットで返答できなかった質問のキーワードを自動抽出できる機能を活用すると、お客さまの質問とは異なる言い回しで回答を用意していてたどり着けていない状況が一目で判別できて便利です。また、私たちでは想定できなかったお客さま視点でのご質問や不備にも気づきやすく、適切なメンテナンスが可能です」とは粟氏。

導入当初は、こうしたチェックのなかで、“忘れ物”の問い合わせ時に、お客さまが回答へとたどり着けていないケースがよく見受けられたという。この時、「チャットボットの力を発揮するいい機会」と捉えたのが平石氏。「お客さまが忘れ物をお探しになっている時、どうやってチャットボットにアクセスされるのかを仮説立てていきました。きっと焦っていることが多いだろうし、項目がたくさんあると探しづらいのでは…そうやって考えていく中で、お客さまが自己解決しやすいように、Q&Aの見直しを図りました」

加えて、類義語登録の見直しも。「お客さまによっては、“なくした” “おとした” “紛失した”と表現もさまざまです。こうした類義語を登録することで、未解決になってしまうケースは激減しました。忘れ物に関する問い合わせの回答には、お客さまのニーズに合わせて『忘れ物センター』への誘導や、LINEでの問合せも選択できるようにしました。こうしたチューニング、改善の成果が管理画面上で随時確認できるので、効果を感じやすいのもサポートチャットボットの魅力です」という。

サポートチャットボット『けい太くん』の画面
より愛着を持ってサポートチャットボットを使っていただきたいという思いから、ボットキャラには京王電鉄キャラクターの『けい太くん』を採用。

ボットのアイコンには、公式LINEスタンプや公式YouTubeでも活躍している京王電鉄キャラクター『けい太くん』を採用。親しみを持って質問してもらえるように、回答をご用意できない場合は、表情を変えるなど工夫をしている。また京王ライナーのご質問については、『しんごくん』(京王ライナーの車種である新型5000系からネーミング)が回答しているという。

成果

コロナ禍明けで急増する問い合わせに回答率94%以上の高精度で対応!
自動QA生成機能やシナリオの公開予約機能で業務負担を軽減

コロナ禍によって減少した乗客数も回復の兆しを見せ、2022年以降問い合わせ数は急増している。「サポートチャットボットが、問い合わせ数の増加幅を大きく抑える効果を発揮してくれています」と語るのは平石氏だ。導入時からUU(ユニークユーザー)数は増え続けており、現在では一か月で1,500件ほどにもなる。平均返答率は94%以上をキープしており、問い合わせ全体の85%以上が解決に導けているという精度の高い回答率を誇っている。

「忘れ物に対するお問い合わせに注目すると、チャットボット利用率が高まることで、電話でのお問い合わせ件数が抑えられている手ごたえを感じています。多い月には500件以上の問い合わせをチャットボットで対応しており、24時間対応できる強みが発揮されていると思います。特に土休日には、早朝から多くいただいていたお問い合わせが激減したという体感を得ています」と平石氏の表情もほころぶ。

また、「今までは、キャンペーンやイベントを行う際にはニュースリリースを手元に用意しつつ、問い合わせが増えそうな質問を想定して回答を用意するという流れでしたが、現在は、サポートチャットボットにニュースリリースのPDFデータを取り込むと、一問一答のQ&Aを自動生成できます。キャンペーンの期間に合わせて、回答の掲載開始と終了を設定できる予約機能もあり、掲載漏れなどのミスもありません」と、細かい機能の利便性も好評いただいた。

今後の展望について、粟氏も「お客さまセンターの解決率の底上げを図ることがまずは重要と考えていましたので、現在、『けい太くん』、『しんごくん』の活用など、モチベーション高く愛着を持って運用していただけていることにも大きな効果を感じています。サポートチャットボットには、お客さまへのサービス向上と業務改善・工数削減を両立させる可能性がまだまだあると思うので、さらに活用を深めていきたいと考えています。」という。平石氏は「ふと、お客さまにご質問されたとき、自分の知識の引き出しから出せなかった回答をチャットボットが用意してくれる。そんな使い勝手の良さを、現場で働いているみなさんも感じていると思います。こうした成果から、庶務関連の問い合わせなどバックオフィス的なQ&Aを用意することで社内問い合わせ削減にもつながるのではと感じています」と他の部門でもチャットボット活用の可能性を探っている。

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