問い合わせの集中や部署違いの問い合わせをサポートチャットボットによって“交通整理”。問い合わせにかかるムダな時間の効率化に成功!

『川崎汽船株式会社』(以下、『川崎汽船』)は、世界各国と日本をつなぐ海運業を主軸に、エネルギー資源、自動車物流をはじめとした国内外の物流サービスを提供する総合物流企業グループ。1919年に創業、現在では国内外に300以上の関連企業と連携し、安全性と技術力の高い海運・運送を担っている。2018年には川崎汽船、商船三井、日本郵船 の三社が各々のコンテナ船事業と海外におけるコンテナターミナル事業をスピンオフした「オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)」をスタート。また、創立100周年となる2019年には環境保全にかかわる長期計画「“K”LINE環境ビジョン2050」を掲げ、積極的な環境対策の推進も展開している。

グローバルに事業展開する同社では、世界各地に陸員・海員を合わせて769名の従業員が在籍。そんな中で、かねてより課題となっていたのが社内問い合わせへの対応だった。管理部門に対して1ヶ月におよそ1000件もの問い合わせがあり、その業務効率化を目指して導入したのがサポートチャットボットだった。今回は、デジタライゼーション戦略グループDX推進チームのサポートチャットボットご担当者へと話を伺い、『川崎汽船』におけるサポートチャットボットの導入経緯と成果を伺った。

課題

課題は社内問い合わせの“交通整理”。問い合わせる際に担当部署がわからず、特定の担当者への質問の集中や、部署違いの問い合わせが数多く発生していた。

世界有数の海運会社として、世界の経済活動を物流から支えている『川崎汽船』。世界各地の拠点で多くの従業員が活躍する同社において、社内問い合わせの課題は業務効率化を図る上で重要なポイントとなっていた。管理部門への問い合わせ数は、おおよそ月に1000件。繁忙期となると問い合わせ数が急増するため、管理部門ではその対応に時間と工数を取られていたという。また、問い合わせ窓口は部署ごとに異なり、問い合わせる側にとっては、どこに問い合わせればよいのか把握できていないため、別部署への案内や質問内容の確認なども重なり、質問者を待たせてしまう時間もかなり発生していたという。

「これまでも社員が利用するポータルサイトにマニュアルを掲載していましたが、回答を見つけられないことも多く、結果として各部署の管理部門へ問い合わせが集中してしまっていました。また、人事、総務、システムなど部門によって回答できる内容が異なるのですが、問い合わせる側からすれば、部門の境目がわかりづらいために、“とりあえず知っている人に連絡をしてみよう”と特定の担当者へ質問が集中。問い合わせ対応の属人化も課題でした」と当時を振り返るのはDX推進チームのサポートチャットボット担当者。問い合わせの“交通整理”は急務となっていた。

実は、以前にチャットボットを導入したものの、メンテナンス作業(Q&Aの追加、修正など)が思ったようにできず、利用率も低いままだったという。そこで、「メンテナンスのしやすさ、サポート体制が充実していること、そして初期費用が抑えられるという点から、ユーザーローカル社に決めました。とにかくQ&Aが構築しやすくて、メンテナンスも簡単なので運用がしやすいと感じました」(サポートチャットボット担当者、以下同)。

解決策・運営方法

選択型、自由入力型のどちらでも質問できる使いやすさ。チャットボットのネーミングや、回答の作成方法の工夫で社内でスムーズに浸透。

導入にあたっては「テンプレートがあるので、Q&A作成のハードルが低く、サポート体制もしっかりしているので、安心して導入できたという印象です。運用がスタートしてから追加や修正といったメンテナンスがしやすいのも特長だと感じています」という。現在は、特に問い合わせの多かった人事グループ、総務グループの2部門をサポートチャットボットで応対。各部署の担当者がQ&Aの内容を精査、共有し、適切な質問内容の追加・修正などのメンテナンスや運用全般はDX推進チームが行っている。

「Q&Aは質問内容から選択する方法に加えて、質問を自由入力できるので利用者としても使いやすいです。未解決ボタンを押されている場合は、その会話履歴を分析します。会話履歴を質問者の立場になって分析すると、つまずいている箇所から“本当に聞きたかった回答”が見えてくるので、Q&Aの向上に役立ちます」。また、運用する上では「Q&Aの追加・修正がかなり手間だと感じていたのですが、サポートチャットボットではExcelでの一括登録ができるのでとても楽です」。こうした作業を工数をかけずにミスなく行えているのも魅力だという。

サポートチャットボットの回答には、問い合わせの多かった社内規定の格納場所や、ポータルに設置したマニュアルにQ&Aの回答が掲載されているものは、マニュアル回答ページのリンクと掲載箇所(ページ数など)を明記したことで、社内規定やマニュアルに関しての問い合わせ数は大きく減少したという。さらに回答不明時の問い合わせ先を明記したことで、どの部署に確認すればよいかがわかるようになり、問い合わせの振り分けもスムーズに行えるようになった。

社内にサポートチャットボットを浸透させるべく、導入時には『川崎汽船』のトレードネーム「“K”LINE」から「物知りK子さん」とネーミング。社員に馴染みのあるキャラ付けを図ったことでスムーズに浸透したといい、“困ったことはK子さんに聞いてみよう”という雰囲気もでき始めているという。

成果

月に600件の問い合わせをサポートチャットボットが対応!24時間対応も実現。チャットボットへの導線強化で利用者も3倍、回答率は95%に!

2021年4月にサポートチャットボット導入、1年経過してみての成果はどうだろうか?「現在では月に平均600件ほどの問い合わせをサポートチャットボットで対応しています。繁忙期には利用者数が跳ね上がりますので、かなり浸透して使ってもらっているという実感がありますね」という。各部署の担当者からも、「導入前と比較して問い合わせ数はかなり減りました」という声も届いているといい、さらに「“物知りK子さん”に確認した上で問い合わせが来るようになったので、部署違いの問い合わせは減少し、無駄な時間を削減できています。これまで活用しきれていなかったマニュアルも使ってもらえるようになったという実感もありますね」。

世界各地の拠点に従業員を置く同社においては24時間365日対応できるというのも大きな強み。「やはり時差があるので、現地で問い合わせをしたくても、こちらは時間外ということもありました。時間にかかわらず回答できる“窓口”があることで問い合わせる側にも、対応する側にとっても安心感につながっています」

また、サポートチャットボットの設置場所は、社内のコミュニケーションツールに加えてポータルサイトにも設置したところ利用者は3倍になったとも。その上で回答率は95%を維持している。「質問者が本当に知りたいことに答えられていないケースもまだあると思うんです。社内ではAIへの期待値がすごく高いので、問い合わせに対して回答できないために使われなくなってしまうということを避けるためにも、“物知りK子さん”のレベルアップは常に図って行きたいですね」と日々のメンテナンス作業は引き続き注力していくという。

今後については「現在は主に2部署への応対業務に活用していますが、今後は他の部署の問い合わせに対しても広げていきたいと考えています。また、RPAツールとの連携も視野に入れた活用方法も模索しています。さまざまなシーンで業務効率化に活用できると感じているので、チャットボットの精度と利用率を高めながら連携の可能性を探っていきたいと考えています」

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