『松屋フーズ』全国1200店舗から本社に寄せられる問い合わせをチャットボットが24時間自動で回答!業務効率化と労働時間削減の実現に向けて、店舗のDX化を推進するための独自の知恵とその運用スタイルに迫る!

『松屋フーズ』は1966年、東京都練馬区に中華飯店『松屋』として創業。1968年に現在のルーツとなる牛めし・焼肉定食店『松屋』1号店を開業。以来、牛めし、カレー、定食をはじめバリエーション豊富なメニュー・サービスで人気を博し、現在では「松のや(とんかつ)」、「マイカリー食堂(カレー)」、「すし松(寿司)」、「松軒中華食堂(ラーメン)」、「ステーキ屋松(ステーキ)」、「cafe terrasse verte(カフェレストラン)」などの幅広い業態展開を行い、店舗数は全国で1200を誇る。

「みんなの食卓でありたい。」をコーポレートメッセージに、バラエティ豊富なメニュー展開やオンラインショップも人気を集めている。全社員から新商品のアイデアを募る「おいしさ創造メニュー」企画から期間限定メニューを生み出すなど、その取り組みもまた注目を集めている。こうした多彩な展開を行う同社において、業務効率化を図るうえで課題となったのが各店舗から寄せられる問い合わせへの対応だった。いかにして電話連絡を削減できるか――。その改善を求めてたどり着いたのがサポートチャットボットの導入だった。2021年12月の導入から確実に成果を出し続けている同社での活用方法について幅広くお話を伺った。

株式会社松屋フーズホールディングス
ITソリューション部 システムサポートグループ
マネジャー 佐藤 純一 氏

課題

全国1200店舗、月に8000件以上もの問い合わせを本社で一手に回答するも、減ることのない問い合わせ数が大きな課題に!業務効率化、労働時間削減を目指し、チャットボットを導入!

日本全国に展開する1200店舗からかかってくる本社への問い合わせ数は、月平均で8000件以上あり、1件に対して行う作業も「ヒアリング→回答の調査→対応指示」と多く、その工数・時間が大きな課題となっていた。佐藤氏に当時を振り返っていただくと「全国の店舗から、本社では最大15人の体制で昼夜問わず問い合わせ対応をしていました。店舗側はお客様の対応をしながらの問い合わせのため、いち早く解決したいという思いから電話がほとんどでした。しかし、電話だと一度に対応できるリソースに限りがあり、また、つながらない時間も多く、待機時間も比例して増えて、問い合わせする側も受ける側も必要以上に時間がかかっていました」と語る。

そうした中で、​​質問はいくつかのパターンに分別できることから“チャットボットで対応できるのでは?”と考えるようになった。社内ではDX推進も行っていて、業務効率と労働時間削減を視野に入れて2021年12月よりサポートチャットボットの運用をスタートしたという。

株式会社松屋ホールディングス ITソリューション部 システムサポートグループ マネジャー 佐藤 純一 氏

まずは、最も質問の多かった福利厚生関連のFAQをシナリオに落とし込んで構築を開始した。ゼロベースで構築を始めたそうだが「とても扱いやすい操作性で、特に最初の構築はシナリオデータのフォーマットがエクセルのため、互換性が良くとても便利でした。また作成したシナリオデータを管理画面で全体的に俯瞰しながら修正したり、一括で更新できたりと、非常に利便性が高かったです」という。

解決策・運営方法

直感的に見やすく、感覚的に扱える充実機能の管理画面!経路分析もキーワード自動抽出も手軽で、改善ポイントの発見→改善までがスピーディに!徐々にユーザビリティも向上し1部門からの運用が今では5部門に!

使用感について「管理画面は直感的に見やすく、ほしい情報にすぐたどり着ける検索機能が使いやすくて便利です」と語る佐藤氏は、導入後はスムーズな運用ができたという。運用にあたっては、利用状況や経路分析、さらには多い時で週50本ほど送られてくる入力フォームによる直接問い合わせなどを、管理画面で週次でチェックし改善を重ねたという。中でも、キーワード自動抽出機能は、サポートチャットボットの利用範囲を広げるきっかけにもなったという。

「キーワード自動抽出から、今どんなキーワードで検索されているのかが一目でわかるので、改善を行う上でとても参考になります。例えば、年末ですと“年末調整”など、問い合わせの増えたキーワードをリアルタイムで把握でき、それに対する回答を即座に追加することができます」とユーザーが求めているQ&Aを順次追加。こうすることでユーザビリティが向上し、利用者の増加にもつながった。そして、他部署からのシナリオ追加希望の声も挙がり始めたという。

こうした経緯から当初、福利厚生関連の1部門でスタートしたチャットボットが現在では、店舗のシステム機器の疑問に答える「システムサポート部門」と、社員、店舗スタッフの検診や新型コロナ関連情報などに関連する「品質保証部門」、また、店舗の消耗品・備品の発注方法を一問一答形式で答える「消耗・備品部門」、さらには、社員採用の詳細を説明する「採用部門」の全5部門でチャットボットが活用されている

『松屋』オリジナルキャラクターのマッキー。
LINEスタンプでも人気のマッキーが、さまざまな表情を見せてくれる

質問に答えるチャットボットには、『松屋』オフィシャルキャラクターのマッキーを採用。使い方や新機能について、またシナリオ追加したときなどは、社内イントラネットで“マガジンスタイル”の「AIチャットボット おしえてマッキー!」を掲示することで社員、店舗スタッフへの認知を図っている。

社内イントラで掲示されている「おしえてマッキー!」
使用方法や新機能の紹介をマッキーがわかりやすく解説してくれて
季節に合わせたポップなデザインで読みやすく構成されている

「知りたいことを教えてもらえるだけではなく、マッキーと楽しくコミュニケーションをとれることで、利用者数と会話数を増やせないかと考えました。そこで活躍したのが『雑談応答機能』です。実際にユーザーから届いた質問に、弊社にまつわる小ネタやエピソードを交えた雑談や、アドバイスなどを登録していきました。例えば、『店長になりたい…』という問合せには『やればできる!想いは伝わる!願いは叶う!』といった熱いアドバイスをマッキーがしてくれます(笑)」雑談応答の登録数は現在では150ほどある。これだけ多くの雑談を登録できるのは、シナリオ修正が簡単に、かつ感覚的にできるのも大きな要因だ。「回答の即時追加や修正ができるスピード感も大きな魅力で、使いやすさや改善の早さから、利用者も右肩上がりで増えています」と佐藤氏は笑顔をみせる。

成果

サポートチャットボットの解決率は60%以上という高いアベレージをキープ!電話問い合わせ数は41.5%減という大幅な削減に寄与!こうした成果から、お客様向けのサポートチャットボット導入を準備中!

きめ細やかな改善を週次で行うことで、マッキーの解決率は60%をキープ!2023年9月でも67.3%と高いアベレージをキープしている。また、右肩上がりに増え続けている利用者数も2023年9月時で月6000人以上!未解決率は3.1%という成果にもつながっている。「この対応件数を電話で考えると、1件の問い合わせで3~4分はかかるので、かなりの対応時間削減につながっていると考えています」

また、課題だった電話での問い合わせ件数にも大きな変化が!月に8000件以上あった電話問い合わせ数は導入から1年後の2022年10月~12月には月平均で35.7%減!さらに半年後となる2023年6月~8月には月平均で41.5%減に!「もちろん、さまざまな施策をしていく中での問い合わせ削減ではありますが、マッキーの活躍が大きく寄与していることは間違いないと考えています。店舗においては、これまでは新入社員やパートさんの疑問は店長へ確認や相談するのが主だったのですが、忙しくしている店長に確認できない状況も多々ありました。そうした中で、マッキーが解決できるシーンが増えたのではと感じています」と、チャットボットが24時間稼働し、店長不在時や深夜の問い合わせが可能になったことの効果は大きいという。

今後は「利用者を増やし更なる電話の問い合わせ削減をさらに目指しています。また、より多くの質問に回答できるようにシナリオを日々増やして、店長の負荷削減、従業員満足度の向上に繋がればと考えています。ゆくゆくはマッキーが“松屋のウィキペディア”のような存在になるように頑張りたいですね。

また、こうした社内向けのサポートチャットボットの成果を受けて、現在はお客様向けのサポートチャットボット導入を進めています(2023年9月現在)。お客様相談室の作業負荷軽減を図るべく弊社のオフィシャルサイトと、公式アプリに設置して、お客様からの問い合わせに対応し、サポートチャットボットでお客様のお声をいただきながら、サービスのさらなる拡充を目指したいですね」と、サポートチャットボット活用を社内外へと広げていく考えだ。

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