ベテラン社員と若手社員の“経験の差”を解消!専門性の高い情報をチャットボットに集約し、若手が知りたい情報の検索ツールとして、文書・書類の検索の高速化!検索時間、相談回数の大幅削減にも成功し、利用対象者の9割以上が「資料検索が簡単になった」と満足度の高い結果に
空調設備工事やシステムインテグレーションサービス、樹脂・エレクトロニクス事業など、6つのセグメントからなる総合商社『三谷産業株式会社』(以下、三谷産業)。1928年に石川県金沢市にて石炭の卸売業からスタートし、現在では北陸、首都圏、そして1994年より事業をスタートしたベトナムを拠点に置き、総合商社、メーカー、コンサルタントなど事業領域を広げ続けている。
多彩な事業を展開する三谷産業において、このたびご登場いただいたのは、空調首都圏事業部と社内システム課のみなさま。社内問い合わせ業務の課題解決のために、まず社内システム課、続いて空調首都圏事業部でサポートチャットボットを導入した。ここでは、建設業界の専門用語が頻発する資料や書類から、若手社員が必要な情報を見つけるまでに時間がかかるという課題に取り組んだ同社のサポートチャットボット活用方法について興味深いお話を伺った。
- 三谷産業株式会社
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- 空調首都圏事業部 品質管理部 部長 古島照久 氏
- 空調首都圏事業部 青山真也 氏
- 空調首都圏事業部 技術統括部 内山雄一郎 氏
- CSR本部 社内システム部 社内システム課 課長 小路昇平 氏(当時)
- CSR本部 社内システム部 社内システム課 瀬波祥子 氏
- CSR本部 社内システム部 社内システム課 黒田克 氏
課題
さまざまな現場によって異なるルールや手順を膨大なマニュアルから探し出すたびに、時間的にも工数的にもロスが発生!“経験の差”がある若手社員へと豊富な知見をスムーズに検索するためにサポートチャットボットを導入!
多様な事業分野でさまざまな事業を展開する三谷産業において、空調首都圏事業部は大手建設会社とともにオフィスビルやマンション、工場などの空調衛生設備工事の施工全般を担っている。建築設備に関する知識はもちろん、建物工事全般についての豊富な経験と知見を持ったスペシャリストが揃う同社だが、その一方で、近年は20代の若手社員が増えたこともあり、知識や現場ごとのルール、手順書などの指導は上長の不在時には停滞するため大きな課題となっていた。「若手社員にとってはマニュアルを読むだけでも大変なのに、膨大なマニュアルの中から必要箇所を探し出すことも一苦労でした。各現場の若手社員にとっても、質問される上長にとっても時間的なロスが発生することも。こうした課題を解決するためのアイデアを長く模索していたんです」と振り返るのは古島氏。
そんな中で、三谷産業の国内グループ会社におけるシステム全般を管理している社内システム課では、2021年11月に社内問い合わせの課題解決に向けてユーザーローカルのサポートチャットボットの導入・運用をスタートした。当時チャットボットを担当していた瀬波氏は「社内標準PCのセットアップやシステム関連の手順書が数多くあり、電話やチャットで社内からの問い合わせが数多く寄せられており、実は問い合わせに回答する私たちも資料を探す時間がかなりかかっていました。そこで、サポートチャットボットを導入して資料の中の目当ての項目にピンポイントでアクセスできる体制を作りました。問い合わせ数は徐々に軽減しておりますし、質問を受けた私たちが資料を探す時間と工数がかなり減ったと感じていました」という。
社内システム課での運用を担当した黒田氏は、サポートツールとしての使用感について「ユーザーローカル社のサポートチャットボットは、管理機能がすごく使いやすいんです。いろいろな他ツールも多く見てきましたが、ここまで細やかでわかりやすい管理画面は見たことがないほどです。FAQの作成も自由度が高くてメンテナンスも手軽。検索時に完全一致しないキーワードをAIで紐づけてくれるので、サポートツールとしてとても使いやすく、私たちが資料を探すときにも便利ということは、利用者にとっても使いやすいだろうと感じています」と話す。
こうした社内システム課での実績から、空調首都圏事業部でも2021年12月にサポートチャットボット運用を開始。若手社員にとって知りたい情報の検索時間が削減されたことで有効性を判断できたことで、同年4月より本格運用をスタートした。
解決策・運営方法
類義語登録と会話履歴を活用して“言葉の壁”を解消!ベテラン社員がもつ豊富な知識から若手社員が検索しやすい言葉を考え、検索ツールとして確立させた
空調首都圏事業部では、若手社員から上長へ技術的な問い合わせが多く、若手社員が理解していない専門用語も多く存在するため、問い合わせごとに口頭、電話、メールなどで上長が回答していた。そこで、専門用語のプラットフォームとしてチャットボットを活用できるように古島氏がFAQを作成しつつ、同時に若手社員を中心に利用対象者へのアンケートを実施したという。
アンケートを担当した青山氏は「当初は日常的に質問している言葉で検索しがちな若手社員にとっては、チャットボットに質問をしても求めている答えがなかなかヒットしないということもありました。そこで直接現場の若手社員に話を聞き、チャットボットが回答できなかった質問事項と若手社員が求めている答えを照らし合わせながら、言葉の不一致を類義語登録に盛り込んで運用するPDCAサイクルを回すようにしました」という。
空調首都圏事業部のサポートチャットボット運用を担当する内山氏は「言葉の不一致は常に新しいものが出てくるので、類義語の更新作業の必要性を感じています。運用をする上では検索履歴を見ることで類義語に登録された言葉がどれくらい使われているかがわかるので、チューニングの結果もわかり、利用率も徐々に上がり始めているので成果を実感できています」と話す。
こうした使用感から“専門用語のプラットフォーム”の構築を目指しつつ若手社員が日常的に質問している言葉を類義語で取り入れることで“言葉の壁”を打開し、時間ロスと工数削減に加えて、ベテラン社員の知見を若手社員へと受け継ぐツールとしても期待が高まっている。
サポートチャットボットの各種機能を活用し使いやすさへの工夫も。営業資料や手順書のPDFをURL化し、携帯デバイスをメインに使う社員にとって、より使いやすくより手軽に確認しやすい仕様に。内山氏は「これまで、時間と工数のかかっていたマニュアルの案内も、施工種別から検索できるようになりました。今では質問内容を洗い出すことでシナリオの精度向上にも活かしています。シナリオが多すぎて逆に検索が難しくなるケースもあるので、会話履歴からシナリオの取捨もチェックしながら日々ブラッシュアップしています」。
成果
サポートチャットボットの満足度は平均86%!利用者の90%が“求めている資料が見つけやすくなった”と回答!さらに、資料検索時間は年間130時間削減という試算も!!
同社では定期的に現場社員へのアンケートを実施しており、その生の声から大きな成果が見えてきた。青山氏が語る。「本格導入をした約3ヶ月後のアンケートでは、利用対象者の90%が“資料検索が簡単になった”、“求めている資料が見つけやすくなった”と回答。また、スマートフォンや携帯デバイスで検索できるため利便性も高く、平均満足度は86%に。中でも、一部の部署では満足度96%と高い評価を得ています」という。さらに、課題となっていた資料の検索時間は同社での試算で、年間約130時間削減、上長への質問回数は年間約600回削減(上長6名換算で、一人当たり年間100回削減)と大きな成果も見込めているという。
古島氏は「チャットボットを活用することで、忙しく手が離せない上長の返答を待つというロスが軽減され、若手社員が普段使っている言葉で検索しても回答が導き出せるので、質問時のストレスが軽減されているのではないでしょうか。また、不一致項目を確認することで、“若手社員にとって、ここがわからないポイント”というのが見えてきたので、社員教育への適切なフィードバックに活用できると気づけた点は大きな付加価値だと感じています」と語る。
さらに、こうした成果が社外的にも認められ、2022年6月には『ISO9001』更新審査で、空調設備工事部門にて特別の高評価である「ストロングポイント」を獲得。(https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/dpl0le/)。「AIチャットボットを活用し、文書・書類の検索を疑似コミュニケーション化して高速化」していることも評価され、優秀活動事例としても紹介された。
今後の展望について話を伺うと、社内システム課(当時)小路氏は「活用を続ける中で、問い合わせの多い質問内容は、サポートチャットボットへ盛り込むことで、利用者の質問内容の対象を広げ続けています。問い合わせ件数は月に400~500ほどですが、便利なツールなのでまだ活用していないみなさんにもアピールしながら、今後はさらに増やしていきたいです。グループ会社の中からサポートチャットボットを導入したいという声も上がっていますので、今後は求める声があればグループ内での規模拡大も目指しています」。
また、空調首都圏事業部の青山氏は「サポートチャットボットは使っていく上でどんどんAIが機能するようになってきたと感じています。チューニングの成果は大きいと考えているので、今後も利用者のみなさんへのアンケートはもちろんのこと、対応部署も拡大していくので、現場に出向いて直接しっかりと生の意見を聞きながら運営に反映して、更に使いやすいチャットボットにしていきたいと思っています」。
古島氏は「若手社員のわからないことを拾い上げていくことで、サポートチャットボットが時間と工数を削減しながら、さらに教育ツールとしても活用していきたいと考えています。そのためには、まだまだシナリオが足りないと感じているので、各部署でさらに活用幅を広げていければと思っています。今後はさらに業務に活かすことのできる過去のトラブル事例資料や、建築会社ごとに違う資料なども充実させることで、よりプラットフォームとして充実を図っていきたいと考えています」と語った。
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