AIチャットボット 導入企業の活用事例 セッションレポート

わずか2ヶ月で社内の質問受付体制を3分の1に縮小し、業務品質も向上

三井物産

三井物産株式会社(以下三井物産)は137もの事業拠点を世界66カ国に持ち、従業員数はおよそ6,000人にのぼる。鉄鋼製品、金属資源、プラント、自動車、建設機械、船舶、航空機をはじめ、ありとあらゆる分野において全世界に広がる営業拠点を持ち、強力なネットワークと情報力を活かした商品企画、販売など各種事業を多角的に展開している。

このような幅広く事業を展開し、また多くの従業員を抱える企業にとっては、社内で業務における確認事項などの問い合わせ量が膨大となる。そして、同じような内容の問い合わせに対しても丁寧かつ正確な対応が必要な事例が日々絶えない。当然、担当者は多くの時間を割かなければならない。本来であれば人が直接対応することでしか解決できないと思われていたこうした案件の自動化は、今後、業務効率・品質アップとコスト削減の両面でも重要な課題といえるだろう。

サポートチャットボットが、こうした問い合わせ業務を自動化し、人的負担を軽減し、高い付加価値の業務に人員をシフトすることに大きな力を発揮する一例として、三井物産の機械・インフラ業務部の金子雄二次長のセッションレポートを紹介したい。

三井物産 三井物産株式会社 機械・インフラ業務部次長 金子雄二様

機械・インフラ業務部において同種の問い合わせが何度もあることに対し、担当者はその回答に、相当な労力と時間がかけられていた。また、知識と知見を含めた担当者の引き継ぎに負荷と時間がかかり、業務ルールに対する社員の理解度にもばらつきがあった。

本来であれば人が直接回答する必要がある問い合わせに対応するために、チャットボットの導入を検討。回答精度の高さ、エンドユーザーと管理者の使いやすさに加えて、サービス費用(イニシャル/ランニング)が低コストであり、導入しやすく、情報セキュリティも担保されたクラウドを利用したシステムであること。また、機敏なサポート体制が採用の決め手に。

シナリオ構成は運用開始2ヶ月でほとんど改善作業が必要のない水準に。精度の高い回答品質で質問受付体制は導入前の1/3にまで縮小。また、担当者の引継ぎ作業が大きく軽減し、マニュアルが集約できたことで作業が効率化。システムに対する専門知識がなくても、操作できる汎用性からシステム運用の属人化の必要はなくなった。

課題

同様の社内問い合わせに対して費やされる
「冗長な時間」と「理解度のムラ」をなくしたい

三井物産の機械・インフラ業務部では、営業部からの社内問い合わせに対して迅速かつ的確な応対が常に求められている。こうした問い合わせ対応が担当者の業務の大半を占めることもあったという。

ことに業務上の法令対応に関しては、担当者への同様の質問はたびたび繰り返されてきた。担当者は、そうした問い合わせがあるたびに、過去の回答との整合性を持たせる必要から、これまでに対応してきた膨大な量のメール履歴や書類から回答を探す作業を繰り返し行わなければならなかったという。「ルールやマニュアルがイントラネットにバラバラに掲載されていたので、担当者が間違いのない回答を探し出すために大きな負荷がかかっていた」とは金子氏。担当者の膨大な作業量とそれにかける時間は切実な問題となり、また、社員のルールにたいする理解度にムラが発生してしまう要因にもなっていた。

問題はそれだけではない。担当者が変更するたびに知識や知見を含めた引き継ぎに多くの時間が必要となるだけではなく、引き継ぎ内容にもムラが発生。メールや電話での対応も即時回答ができないことも多く、業務効率は良くなかった。「ネガティブな要素がいたるところにあったんですね。即時回答が得られずに営業部の業務が滞ってしまったり、ルールに対する理解度によっては、時に致命的な問題になりうることもあります」。

三井物産

解決策

クラウドサービスならではの低コスト
管理はマニュアルなしでも感覚的に操作できる

こうした課題を解決するために、社内問い合わせ業務をAIで自動化するチャットボット採用の検討を開始した。展示会や説明会などへも足を運び数社を検討するまでとなったが、回答精度の高さ、エンドユーザーと管理者の使いやすさという基本的な事柄はもちろん、費用やサポート体制に至るまでつぶさに精査したところ、ユーザーローカルのサポートチャットボットを採用することとなった。

クラウドならではの低価格は大きなポイントとなった。システムの運用・保守の費用を抑えることができ、費用対効果を考慮してもシステム導入のハードルが低く試験導入をしやすいというのは、大きな魅力だった。さらに、管理する側の難易度が非常に低いことも導入する上で背中を押した点だという。金子氏は自身が利用した手応えからも「高度なITリテラシーを必要とせず簡単に操作できるのは大きな魅力です。作業はほぼFAQコンテンツの管理のみで、たとえばスマートフォンに触れるように、使っていれば感覚的に誰でも扱える操作性も導入を促進させた大きな要因ですね」と語った。

コストとともに気になるのは導入する上での構築・設計工数だろう。チャットボットを活用した社内コミュニケーションを的確かつ円滑に行うためには、シナリオ作成が重要となる。こうしたシナリオ作成のサポートに優れていた点もまた採用理由に挙げられるという。「構築、設計時の対象業務を理解したうえでのシナリオ構成へのアドバイスが非常に的確で、こちらの質問への対応もとにかく迅速でした。たとえばシナリオ修正を依頼すると、ほとんどが同日中か翌日には解決していたのです。ストレスを溜めることなく、安心して導入作業を進めることができました」。

導入時にスムーズにシナリオ構成を進めることができたため、運用を開始して2ヶ月目でシナリオはほぼ改善作業が必要ない水準にまで成長した。2ヶ月目以降は会話ログのチェックを1週間に1回、5分程度で作業できるという。「感覚的に作業できるのが強みでしょうね。メールや電話でサポートをお願いしてもスピーディに対応していただけるので、導入を決めた時点から時間を浪費することはなくなりました」。

成果

質問の受付体制は導入前の3分の1に減少!
削減したリソースはより生産性の高い業務に従事

まずは、導入時点で大きな成果があったという。シナリオ構成を築く過程で、これまでバラバラに管理されていた複数のマニュアルをチャットボットに集約できたことで、時間をかけて回答していた労力が大幅に軽減できた。当初の狙いだった知識や理解度がきちんと標準化、均質化され、属人化の危険性を感じなくなったという。

運用を開始すると、法令対応に対する質問が大幅に減少。質問の受付体制そのものも導入前の1/3にまで縮小することに成功した。自動化で削減したリソースはより生産性が高い業務やクリエイティブな業務に従事することが可能になった。

三井物産

今では「担当者が交代する際に必ず必要になる引き継ぎ書の作成や引き継ぎ作業そのものがほぼ必要なくなり、ほとんどの案件がチャットボットで調べられるようになりました」と語る金子氏。その利便性から、当初の利用対象外であったはずの社内の従業員もチャットボットを利用するようになるという副次的効果も得ることができたという。

メールでの問い合わせが来た際には、チャットボットの利用方法をメールに記載して返信しているという。チャットボットの利用を促進するための工夫を取り入れていることで、「メールや内線での問い合わせの減少に繋がっています」という。もう1点、同社での面白い試みが、チャットボットに愛着を持ってもらうためのキャラクターアイコンと名前の社内公募だ。誕生したのが鶏のキャラクターアイコンで名前は『ちゃぼくん(鶏=チャボと、チャットボットにちなむ)』。命名者が社内での口コミの核となり、周囲の社員へチャットボットへの関心、認知度向上を働きかけている。利用度の向上には、こうした試みも期待ができる。 

運営をしていく中で、シナリオの内容としては制度変更や業務ルールの変更が少ないものはチャットボットとの適合性が高いと判断。今後の展望としては、「そうしたシーンで利用できることは社内でも多くあり、他部門でもすでにチャットボットを採用した業務の自動化、効率化を推進しています」と金子氏。社内にある同種の業務は順次チャットボットによって自動化を図ることを検討しているという。

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