“育成ゲームスタイル”でチャットボットを楽しく育成!親近感のあるキャラクターを愛着持って運用・活用をすることで、大きな成果を創出した、その遊び心あふれる独自の導入方法に迫る
「野村不動産」が開発するビル・マンションの総合運営管理事業を担う野村不動産パートナーズ株式会社は、分譲マンション「プラウド」シリーズをはじめ、中規模高機能型ビル「PMO(プレミアムミッドサイズオフィス)」、都市型商業施設「GEMS(ジェムズ)」、大規模高機能型物流施設「Landport(ランドポート)」をはじめ、教育施設やデータセンターの管理事業、公共施設の指定管理を行うPPP事業なども手掛けている。さらに、建設設備工事、施工管理や、効率的な不動産経営を実現するプロパティマネジメント事業、など幅広い領域で現場力×提案力を生かした安心・安全で信頼性の高い事業を展開している。
今回ご登場いただくのは、経理部の清水氏と松井氏。経理関連の社内問い合わせで繁忙していた同社において、およそ1年で問い合わせ数を半減させたというサポートチャットボットの導入事例をご紹介する。サポートチャットボットを導入する準備段階でのデータ収集や効果測定をするためのアイデアに富んだ導入方法、さらには解決率や利用率を高めるための活用術とその成果についてお二人にお話を伺った。

経理部 経理課
担当課長 清水 氏
松井 氏
課題
経理部への月平均150件超の問い合わせ負担を軽減すべくサポートチャットボットを採用!部内の知見の共有と、対応の属人化解消も目指す
日々変化していくニーズや社会経済環境に応え、建物を守り、活かし、価値を高めるサービスを提供し続けている野村不動産パートナーズ株式会社。さまざまな事業を繰り広げる同社の経理部において、大きな課題となっていたのが社内問い合わせの繁忙だった。清水氏によれば「ふだんより問い合わせ対応時間を割いており、その問い合わせ数は電話、メール、チャットなどで月に150以上。また、問い合わせの半数は電話が占めており、本来の業務に大きな支障が出てしまっていました。特に月末や年度末などは対応に追われ、しかも同じ質問が毎月のように数多く届くため、業務改善は必須でした」と振り返る。社内イントラネット上に読めば解決できるマニュアルを用意していたものの、量が多く探すのが困難で、見つけられないまま電話問い合わせが増える状況だったという。

そんな中、グループ会社にて先行導入されていたサポートチャットボットを経理部メンバーで試したところ、「これは使いやすい!」と導入の決め手になったという。清水氏は「問い合わせ内容によっては、対応が属人化してしまっていたので、誰が受けてもブレなく回答できるように部内で知見を共有していこうという方針の元で導入を進めました」という。こうして2022年12月に導入準備を開始した。

導入前に必要だったのは、実際に経理部に届いた問い合わせ内容と件数、対応時間といったデータ収集だ。「当初、とても大変だと感じていた経理部内(人数は18名ほど)でのデータ収集を、みなさんが楽しみながら愛着をもって協力していただける方法はないかと考えたのが、データが増えるとともにボットキャラクターが成長していくというアイデアでした。導入前にデータを多く集めることができれば、より使えるチャットボットとしてリリースできると感じましたし、導入前後の効果測定を図る際にも便利だと考えました」(松井氏)
解決策・運営方法
準備期間から愛着を持ってもらうために“育成ゲームスタイル”でデータ収集を実施、集まった1,200件のデータをもとにリリース時から確度の高いQ&A構築に成功!
経理部内での問い合わせ状況のデータを集めるために用意したのが「育成ゲームスタイル」。その実用的でいて遊び心に富んだアイデアを発案した松井氏が実際にデザインを手がけ、最初はたまご状態からスタートしデータを取り込むたびに、電卓をイメージしたボットキャラへと進化していくというものだった。データ入力フォームは“栄養シート”と名付けることで、経理部メンバーがゲーム感覚で入力できるように工夫した。

「届くデータが少ない時は、メールで『お腹が空いたよ!栄養シートを送ってね』とデータ収集をお手紙形式でお願いすることで、経理部のメンバーには楽しみながら協力していただけたと思います」と笑顔を見せる松井氏。こうして半年で1,200件ほどの問い合わせデータの収集に成功し、確度の高いQ&A作成も行うことができ、導入後の効果測定にも役立ったという。
2022年6月の全社に向けたチャットボットリリース時には、社内認知と利用促進を狙ってキャラクター名の公募も行った。松井氏によれば「応募者全員にオリジナルクリアファイルとポスターの提供を謳いまして、多くの候補の中から『でんたきゅん』とネーミングしました。リリース後も新しいツールの導入ではなく『でんたきゅん』を押し出すことで、親近感や認知度アップにつながったと感じています」という。チャットボット公開後も、更新情報を社内報での告知や、『でんたきゅん』のグッズ化など、楽しく認知を広げる施策を行っている。クリスマスやバレンタインデーなどのイベントに合わせて、毎月『でんたきゅん』のデザインや表情が変わるという遊び心も愛着が湧くポイントになっている。

運用面においても「管理画面が見やすく、修正やQ&Aの追加は直感的に操作できるのでストレスがないです。リリース前には『使っていただけるかな?』という不安も大きかったのですが、リリース前後にはユーザーローカルの担当者さんとの細やかな打ち合わせをしていただき、不安を解消したうえでデータ分析やメンテナンスのコツも教えていただけたので、安心してリリースすることができました」と松井氏。その使いやすさからリリース直後は、ほぼ毎日のようにQ&Aの追加・修正などの更新にも対応できたという。
「育成しながら精度を高めていくというアイデアはとても好評で、部が一丸となってリリースできたと感じています」という清水氏は「現在でも月に1回はミーティングを行い、問題解決に至らなかったキーワードや離脱してしまった会話履歴などから改善を行っています。また、選びたい質問が項目にない場合は、直接入力できるフォームを用意し、ユーザーの声をより深く拾えるようになりました。『でんたきゅん』を通して、運営側だけでは想定できなかった声や求められている質問内容に気づくこともできていると感じています」と運用面での手ごたえも感じているという。
成果
『でんたきゅん』の浸透により、対応に時間を要していた電話を中心に問い合わせ数はなんと半減!経理部内での属人化の解消やコミュニケーション活性化の効果も
育成スタイルで導入された『でんたきゅん』によって、月平均150件ほどあった問い合わせ数は半減し、解決率も導入直後から98%にも達した。特に、対応時間を要していた電話での問い合わせが激減したという。松井氏によれば、「導入前は、経費精算システムについて、ほぼ毎日のように問い合わせがあった、簡単な設定で解決するような同じ質問がほとんどなくなりました。また、『でんたきゅん』を確認したけどわからなかったので、という問い合わせも増えており、しっかり利用されているという実感もあります」と語る。
清水氏は「システムの仕様変更や障害発生時など、スポット的なイベント時にグッと利用率が上がっているのを見ると、対応できているのだなと実感します。利用者数、閲覧数も月を追うごとに増え続けており、導入して1年で社内に『でんたきゅん』が浸透した実感もありますね。また、経理部内でも担当外のことなどを調べることに役立てています」と当初の狙いの一つだった“知識の共有”と、”回答のブレ軽減”にもつながっているという。

経理部内で『でんたきゅん』のファンもできたといい「オリジナルのシールやカレンダーを自作して使ってくださっている方々もいます。雑談機能を活用してラッキーアイテムなどを教えてくれる『でんたきゅん占い』なども追加するなど、より楽しく活用いただける工夫も日々凝らしています。経理部全体で取り組んだ初めてのプロジェクトでしたが、みなさん愛着を持ってとても盛り上がってくださったことで、部署の活性化やコミュニケーション促進にもつながったと感じています」と大きな手応えを語る松井氏。
最後に清水氏に今後の展望を伺うと「『でんたきゅん』を使っていますという声も増えてきました。さらにみなさんに使っていただけるように、社内報での告知の充実に加えて、日々のメンテナンスを充実させてより高い解決率を目指していきたいですね。また、社内でアンケートを取ったところ、他部署でもサポートチャットボットを採用してほしいという声もいただくので、今後さらに活躍の場が広がれば、と考えています」。
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