1部署だけのスモールスタートから、現在では社内全体にチャットボットが浸透!
平均返答率は90%以上、システム関連の問い合わせが50%削減と、たった月1回の継続的な改善から大きな成果に

SOMPOホールディングスグループ全体の情報システムを担う戦略的IT企業『SOMPOシステムズ株式会社』(以下、SOMPOシステムズ)。SOMPOグループが展開する事業分野において、先進のICT、デジタル技術を基軸にしたITシステムの企画・開発、社内外へのシステムの導入・運用管理、ユーザーサポートなどを行う。

SOMPOシステムズでは、DX戦略、未来革新プロジェクトを重点課題に、メタバース、Web3といった最新の技術やソリューションを駆使した次代のシステム創造の研究や開発にも注力しているなか、DX推進の取り組みの一環として着手したのが、社内問い合わせ対応の効率化の課題解決だった。スモールスタートで始まり、部署をまたいだチャットボットの展開にまで至った同社のチャットボットの導入方法や運用の工夫について、ITシステム本部のお二人に伺った。

SOMPOシステムズ株式会社
ITシステム本部 ファシリティマネジメントグループ
池田 晃久 氏(左)
桐生 典子 氏(右)

課題

“まずは電話”という社内風土を解決すべくチャットボットの検討を開始
気軽にスモールスタートできるサポート体制、そして誰もが扱える管理画面の操作性が決め手となりサポートチャットボットを導入

SOMPOシステムズ では、SOMPOグループ全体のITシステムの企画・開発に加えて、社内で使用するシステム開発や、社員が使用するPC、ITツールの導入、保守・運用などを担っている。DX推進に取り組むなかで避けて通れない課題が、社内の問い合わせ対応の効率化だった。当時の様子を伺うと、池田氏は「サポートチャットボットを導入したのは2019年8月。まだコロナ禍の前で“不明点をすぐに解決をしたい場合は、とりあえず電話をしよう”という感覚の社員がほとんどでした。メールを打って返信を待つよりも電話の方が感覚的に早く解決できるので、どんな質問でも“まずは電話”という風土でした」と当時を振り返る。桐生氏は「確かに、リモートワークが定着した今でこそチャットでのやり取りが多くなりましたが、当時の社内問い合わせは、電話やメールがほとんどで、問い合わせ受付部署では、かなりの時間を割かれていました」と当時の苦労を語る。

そこで検討に上がったのがチャットボットの導入だった。“まずは気軽に使い始めてみよう”という考えのもとで、無理のないスモールスタートを想定。コスト面とサポート体制、そして誰でも扱いやすい管理画面を重視して検討を開始。製品比較をしていく中で、すべての要望を満たしていたのがユーザーローカル社のサポートチャットボットだった。

Q&Aは業務の合間に作成。桐生氏は「シナリオフローはExcelで作成できるので、思っていたほど作業負担を感じることなく作成することができました。しかも作成したQ&Aデータは、ユーザーローカル社がチェックし整えて構築してくれるなど、様々な要望を臨機応変に受け入れてくれるサポート体制があったので、スムーズに進めることができました。また、管理画面は手軽さと便利さを兼ね備えていてとても使いやすく、システムに精通していないメンバーでも気軽にQ&Aのメンテナンスができる使い勝手がとても魅力だと感じました」と、当初の想定通りスモールスタートをきることができたという。

解決策・運営方法

チャットボットの改善とともに、キャラクター『テルミーちゃん』が赤ちゃんから子どもへと成長!遊び心も取り入れて、無理なく継続して改善することを第一に考えた運用スタイルで他部署展開にも成功

まずは、社用PCに関する基本的な問い合わせやアカウントの取得方法など、定型的に回答できるQ&Aから運用をスタート。信頼性を高めつつ利用者の獲得を目指すところから着手したという。また、導入と同時にチャットボットのキャラクター設定も工夫した。「みんなで育てていこうという思いから赤ちゃんのキャラクターに決定。ネーミングは社内公募で“テルミーちゃん”と名付けました」(桐生氏)。回答内容が増えるとともにテルミーちゃんも成長していくという遊び心を取り入れることで、運営側だけでなく利用者にも愛着をもって使ってもらおうという狙いがあった。

運用開始して3年後に赤ちゃんから子どもに成長
回答できないときには悲しい表情になるなどの変化をつけることで、“みんなで育てよう”と利用者も意欲的に活用をしているという

運用開始してから3年が経過するまでにテルミーちゃんの回答できる領域を少しずつ広げることで社員からの信頼性も高まり、各部署の問い合わせ担当から“自分の部署にも導入したい”という声も上がるようになったという。徐々に、問い合わせが多い他の部署へも展開していくなかで、「あまり深く考えなくても視覚的に誰でも操作できる管理画面なので、導入した担当者への操作説明もスムーズに行えた」(池田氏)。現在ではITシステムのほか、人事、経理、総務など5つの領域の問い合わせに対応している。「Q&Aのメンテナンスは各部署の担当者にお任せしています。導入当初は50ほどのQ&Aでしたが、今では回答できる内容も増えたことで、テルミーちゃんも赤ちゃんから子どもに成長しました(笑)。利用者からしても成長の様子がわかるので、より愛着を持って利用しているようです」(桐生氏)。

改善作業にあたっては、月1回の“テルミーちゃんの定例会”を行っている。「管理画面の分析データをもとにQ&Aの追加や内容改善を話し合っているが、毎月1度きりで30分〜1時間程度のため無理なく継続できています」と桐生氏。メンテナンスを行う上で活用しているのは『キーワード自動抽出』と『利用統計』。池田氏は「『キーワード自動抽出』機能では、質問に答えられなかった質問がキーワードのランキングで可視化されるのでQ&A見直しの参考にし、チューニングを重ねながら、『利用統計』で利用者の推移を日々チェックしています。例えば、ユーザーの表記のゆれによって、登録しているはずの回答にたどり着けない場合は、類義語を新たに登録することで調節し、また、新入社員の多い4~5月には質問されるであろうQ&Aをあらかじめ登録しておくことで、問い合わせを未然に防ぐなど、メンテナンスの指針を掴みながら、改善向上を目指しています」と語る。

成果

4年という長期利用ながら、平均返答率は90%以上、チャットボットの利用数も月平均3,000件以上とハイアベレージを維持!今では“『テルミーちゃん』に載せると問い合わせが減る”というイメージが全社に浸透

2019年8月からおよそ4年という利用期間で運用部署が増え利用範囲も広がるなか、返答率は平均90%以上をキープし、利用者数も右肩上がりで、2023年現在ではテルミーちゃんへ問い合わせ数も月平均3,000件以上とハイアベレージを維持している。桐生氏に成果を伺うと「システム関連においては、問い合わせ数が50%ほど削減されました。他部署の問い合わせについても、テルミーちゃんが問い合わせに対して答えてくれるので、各担当者からも“よくある質問が感動的に激減しました!”という声もありました。私自身、人事や経理、総務についての問い合わせをすることがよくあるのですが、ユーザー側でみてもテルミーちゃんはかなり便利だと感じています。実際に使ってみて、いいなと思った社員が多くいたからこそ社内の機運も高まったのではと思います。今では“テルミーちゃんにQ&Aを載せると社員からの問い合わせが減る”というイメージが社内に浸透しているようです」と笑顔を見せた。

*会話総数:チャットボットに質問された回数

「利用者が回答にたどり着けなかった場合でも、テルミーちゃんの成長への期待感を持って「いいえ」を意欲的に押してくれるのも大きいですね」と桐生氏。一般的にはチャットボットの回答に対して、利用者側からの解決可否のフィードバックは多くないなかで、今回のキャラクター設定が上手く作用し、社員から期待を込めたフィードバックが集まることで、チャットボットの改善に活かされているという。

「テルミーちゃんというキャラクターに設定したことで、利用者側からも運用側からも“使い勝手が悪い”といった不満を聞いたことがないんですよね。それよりも、1度でも回答までたどり着けたという成功体験が印象に残りやすく、リピートや口コミに繋がっているのかなと感じています」(池田氏)

今後の展望について桐生氏は「社内報や社内ポータルで認知を広めていますが、さらに利用者を増やしていきたいと考えています。現在はテルミーちゃんの背景を季節ごとに変えて、雑談を変えるなども工夫していますが、回答精度を高めつつ、会話シナリオのバリエーションもさらに増やしていきたいですね。あとは、ユーザー側の解決可否の確認レスポンスを増やすためのアイデアもどんどん投入していきたいと思っています」と語る。

池田氏は「セキュリティ面での制約やハードルもありますが、今後は社内システムやアプリとのAPI連携を図り、さらなる利便性向上をめざしていければと考えています」。

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