対応品質の向上に加え、顧客が疑問や不安なく活用できるECサイトの使いやすさも目指して導入したサポートチャットボット

 1998年の創業以来、世界中から厳選したハーブ(自然植物)を用い、自社オリジナルの美容健康食品、化粧品などの企画・開発、販売を行う『株式会社ハーブ健康本舗』(以下、『ハーブ健康本舗』)。シリーズ累計販売数740万個(2021年4月末時点)を誇る自然美容健康茶『モリモリスリム』や、お腹の脂肪を減らす機能性表示食品『シボヘールシリーズ』といった、高品質とユーモアを追求した商品ラインナップは支持が厚く、リピート率も高い。

ハーブ健康本舗ショッピングサイト(https://www.sukkiri-life.com/

 徹底したユーザーファーストの姿勢で確かな商品を開発・提供する同社では、定期購入率が高いことも大きな特徴だ。その多くはECサイトでの購入となるが、課題となっていたのはお客さまからの電話・メールでのお問い合わせの多さだった。そこで、対応品質を維持しながら、お客さまからのお問い合わせを削減させたいという思いから、ECサイトのUXを高めるべくサポートチャットボットの導入を決定。定期通販のビジネスモデルを展開する同社における活用事例とその成果に迫った。

株式会社ハーブ健康本舗 (https://www.herb-kenko.com/
EC事業部
新徳 亮一氏 (写真左)
馬場 一聡氏 (写真右)

課題

Web上で解決できる契約・解約手続きについても問い合わせが多く、コロナ禍での需要増加によりコールセンターが悲鳴を上げていた。

 高品質でいて遊び心のある商品ラインナップを定期通販モデルで展開する『ハーブ健康本舗』。新型コロナウイルスの影響から通販業界が活況となったこと、また健康意識の高まりから商品が市場ニーズにマッチしたことで売上が増加した。ただそれに伴いコールセンターへの問い合わせ数も急増。馬場氏は「当時はコールセンターから悲鳴があがってくるような状態でした。サイト上でお客様ご自身でもご契約やご解約といった手続きができるのですが、従来使用していたFAQページでは手続き方法を十分に伝えきることができず、結果的にWEBを見たお客様がそのまま電話やメールでお問い合わせされる、という状況でした。」と振り返る。そんな状況の中、新徳氏は「弊社ECサイト上でご契約やご解約の手続きなどに関しても疑問や不安なく完結していただけるよう目指していたこともあり、かねてよりお客様にとって使い勝手のよいチャットボットの導入を検討していました」という。

 チャットボットの選定基準となったのは、第一に顧客にとって使いやすいかどうかだった。「お客さまがWeb上で解決できることは、すべて解決していただけるのが理想。自己完結率を高めるためにも、チャットボットを使っていただくことで、無駄なページ遷移や導線を省き、目的のFAQページへとスムーズにご案内したいと考えていました」とは新徳氏。また、管理画面が使いやすく、PDCAが回しやすいこと、運用サポート体制、そして価格帯も考慮に入れた上で選んだのがユーザーローカルのサポートチャットボットだった。「管理画面を拝見したときから、直感的に使いやすく、課題点も見つけやすそうだと感じていましたが、実際に触れてみると、想像していた以上に分析機能が充実していました。また、導入の前からサポートも手厚く、チャットボットの設置位置や、回答文の最適化など、弊社サイトに合わせたアドバイスをしていただけのも大きかったですね」(馬場氏)。

解決策・運営方法

お客さまの疑問や不安を管理画面ですぐに可視化。チャットボットの会話履歴から顧客ニーズに気づくこともできた。

 導入にあたっては、すでに運用しているFAQをもとにチャットボットの会話形式に最適化し、選択肢や回答を準備。文字数の多い回答については、スマートフォンでも読みやすい文字数に調整した。こうした工程においては「ユーザーローカルのサポート体制が充実しており、不安なく導入を進めることができました」と馬場氏は話す。また管理画面の見やすさ、使いやすさも想像以上だったという。「お客さまの疑問や不安を管理画面ですぐに可視化できる点はとても優れていると思います。チャットボットによって導き出された回答が参考になったのか、ならなかったのか、どんな質問が多く寄せられているのか。こうしたお客さまの声を“問題解決ランキング”などのデータから見つけ出すことができるので、改善点が発見しやすいんです。また、改善した施策の良し悪しを検証していくPDCAも回しやすく、お客さまが求めている解決策を導きやすいとも感じています」とも。

 サポートチャットボットを導入したことで新たな顧客ニーズの気づきもあったという。「弊社では、会員さまにお誕生日クーポンを配信しているのですが、これまでFAQに回答を用意していなかった“クーポンの使い方”についてのお問い合わせがチャットボットに多く寄せられるようになったんです。コールセンターへの質問を集約して、新たに回答を設置したのですが、こうした気付きが得られるもの特長的です。また、他部署から質問を追加したいというリクエストにもすぐ反映することができます。新たなQ&AもPDCAをすぐに回せて、効果的な回答かどうかの判断も迅速にできます」(馬場氏)。

 さらに、顧客がECサイトを使用する上で課題になっている点が浮き彫りになったことで、新たなコンテンツを準備できるようになったとも。「お問い合わせを多く頂いていたご契約やご解約についての手順については、動画にして掲載しました。文章だけでは説明が不十分になりがちな手順も、動画でご説明をすることで疑問を解消いただけているのでは、という手応えも感じています」(馬場氏)。

成果

サポートチャットボット導入後、メール問い合わせが45%減!今後はコンバージョンにつながる企画の展開も。

 サポートチャットボットの導入直後、メールでの問い合わせが45%減という結果がみられた。「Webサイトへの訪問数が増えている中で、メールでのお問い合わせがこれだけ減っているというのは大きな成果だと感じています。また、FAQの使用率が高まっていることからも、チャットボットを使っていただけている実感があります。また、動画での説明を掲載したご契約・ご解約についてのお問い合わせがかなり削減できています」と馬場氏。

 さらに、チャットボットの回答率は99.5%と非常に高精度な会話を実現している。そのQ&Aの精度向上にはどのような運用方法が用いられているのだろうか。「お客さまが質問に使用される言葉は多岐にわたるのですが、こうした言葉を日々観察し、管理画面上で類義語を増やしてチャットボットで対応できる幅を広げています。こうしたチューニングの作業は運用メンバー3人で行っています。未返答や未解決のワードを点検し打ち合わせをして改善する作業は週に1時間程度。回答内容は他部署のメンバーに確認してもらうなどの協力も得ながら、より精度が高く、よりお客さまが使いやすいチャットボットを目指しています」(馬場氏)。

 現在(2021年3月現在)は、サポートチャットボットの導入から3ヶ月ほどだが、「お問い合わせについては、ある程度チャットボットで対応でき始めています」と手応えを感じているという馬場氏。今後は「商品に関する情報や選び方、おすすめ商品のご提案などをチャットボットに盛り込み、コンバージョンにつながる企画も展開していきたいと考えています」という。さらに、クリックひとつでチャットボットへのリンクをQRコード化できる機能にも着目。「これまで以上に積極的にECサイトへお客さまをご誘引できるように、会報誌にチャットボットのQRコードをつけるなどの展開もできれば、と考えています」(馬場氏)。

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