年間2,200件の現場からの問い合わせ対応負荷を軽減!
チャットボットとAI FAQの連携で利便性が向上し、質問ユーザーのニーズに対応

「安心で快適なくらしのためのエネルギーの未来を切り拓く」をミッションに掲げ、生活に欠かせないエネルギーである電気を関東圏の個人や企業に供給する東京電力グループ。その中で、日本の電力供給量シェア約1/3を占めるのが、東京都をはじめ神奈川県、埼玉県、千葉県など関東9都県に事業所をもつ『東京電力パワーグリッド株式会社』。電柱や電線といった設備を通じて電気を届ける送配電事業は、停電回数・停電時間の少なさにおいて世界トップクラスの安定性を誇る。

同社への信頼の背景には、電力供給の安定性だけではなく、迅速で的確な顧客対応に対する努力も欠かせない。現場では、小売り電気事業者様からの電気使用開始や契約変更の対応やお客様宅の停電対応など多岐にわたる質問が寄せられている。それに伴い、現場職員からの本社への問い合わせも増え、その対応業務が負担となっていた。そこで、こうした問い合わせ対応の自動化を目指して2023年より本格運用を開始したのが、サポートチャットボットとAI FAQだ。ここでは、パワーグリッドサービス部技術サービスグループの高橋氏、川島氏にその活用方法と相乗効果について伺っていく。

東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社
パワーグリッドサービス部 技術サービスグループ
出向管理チームリーダー 高橋 邦明 氏
川島 健吾 氏

課題

現場からの年間2,200件の問い合わせ、本社の対応負荷軽減が課題に!
セキュリティ、使いやすさ、費用対効果のすべてからサポートチャットボットに選定

関東近郊の各エリアで、80グループ、1,000人規模の職員がお客様のご要請に基づく現場での対応や設備保守に従事し、安定した電力供給のために日夜業務に取り組んでいる。こうした中で、現場職員から電話やメールで年間2,200件もの問い合わせが本社に寄せられていた。本社では10人ほどいるチームで対応を行っていたが、1件の対応につき20分以上要するものも多く、現場サポート業務の負荷軽減が急務となっていた。

高橋氏に伺うと「漏電などによる停電対応といった緊急対応が必要な問い合わせ、具体的な業務の取扱いなど担当するメンバーでしか答えられない内容も多く、その内容はとても複雑でした。対応のなかで、マニュアルの確認や他部署への確認などが必要な場合も多く、日々の業務を止めてしまうこともしばしばありました。当時は、応対者ごとでナレッジが属人化しており、エクセルで“問い合わせシート”を作成するなど手を施していたものの、情報の蓄積と管理がうまくできていないという状況でした」と振り返る。

東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社
パワーグリッドサービス部 技術サービスグループ
出向管理チームリーダー 高橋 邦明 氏

こうした中で、着目したのが既に同社内の他の部署で運用をしていたユーザーローカル社のサポートチャットボットだった。「問い合わせ対応では、社外秘の情報を取り扱うこともあるため、セキュリティ対策などの安全面はとても重要。その点、すでにグループ内で採用されているユーザーローカル社のツールはセキュアな環境という実績もあり、且つ効果も出ていたので安心感がありました。その上で、運用担当者が扱いやすく、ユーザー側も回答を得られやすい使用感、導入コストが安価で機能も充実していることも決め手でした」と、2023年2月に本格運用を開始したという。

「サポートの手厚さがとても助かりました。運用面での相談に対しては、当社の活用シーンを想定したうえでさまざまなアドバイスや指摘もあり、“導入して終わり”ではなく、管理者にとってもユーザーにとっても使いやすい気づきや工夫をもらえています」(高橋氏)と“伴走型サポート”の魅力も大きいという。

さらに、現場からチャットボットだけではなく、“よくある質問”のページがあると使いやすいという声が多く挙がり、2023年9月にはオプション製品となるAI FAQも実装した。AI FAQ上では、マニュアルや技術的な回答、勤務情報や各種申請内容などをカテゴリー別に一覧表示できる。高橋氏によればQ&Aの追加・修正をした際や、新規回答を作成したときに、チャットボットもAI FAQも同じ管理画面で一括にメンテナンスを行えることが大きな魅力だったという。

解決策・運営方法

直感的に扱える管理画面で、チームでの運用を最適化
チャットボットとAI FAQを併用するメリットとは?

日々の運用は、本社メンバーがメンテナンスなどにかかわっている。質問が多岐にわたるので、各チーム担当者が個別質問のQ&Aや回答を作成しシステムへ反映することで、回答バリエーションを厚くしているという。管理画面の使用感については「インターフェースが簡単で直感的に扱える操作性で、悩むことなくメンテナンスが行えています。管理画面は知りたい情報がシンプルに表示されるので利用状況や問題点の把握が直感的にできますね。例えば、回答できていない質問や、頻度の増えている質問は大きくピックアップして表示されるので、回答の修正・調整といったメンテナンスの指針に繋がりやすいです」(川島氏)と語る。高橋氏は「レポートの作成が簡単なのも魅力です。資料を作る工数と時間を削減して、ユーザー数、回答率などのデータを管理者の間で共有することで、問題点の洗い出しと対応に時間を充てることができるようになりました」という。

チャットボットとAI FAQを併用するメリットについては、「状況に応じて、チャットボットに質問をしながら回答を見つける方法と、AI FAQでカテゴリー別に調べる方法と選ぶことができ、問い合わせる際の選択肢が広がり、ユーザーにとって利便性が向上したと感じています。関連度が高い質問候補をサジェストする検索窓の使用感も好評です。また、以前は応対者の担当分野にかかわらず、ランダムに届いていた個別対応が必要な質問も、チャットボットやFAQを通して、カテゴリ―別に仕分けたうえで各担当者へ届くので、応対時間・工数が削減できると同時に、問い合わせデータの蓄積も簡単にできるようになり、相乗効果は大きいと感じています」(高橋氏)。
川島氏は「全社に向けて新たな社内通達事項が発生した際には、事業所の職員から、同じような質問が同時に来る場合もよくあります。こうした場合に、恒常的に問い合わせがくると予測できる回答はチャットボットに、緊急を要する回答はAI FAQのトップに設置する、といった状況に合わせた対応が取れるようになってきています」という。

東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社
パワーグリッドサービス部 技術サービスグループ
川島 健吾 氏

成果

チャットボットとAI FAQの併用で利便性が向上
問い合わせデータが蓄積され、共有できるようになったことで、同様の問い合わせはチャットボットで自己解決が可能となった

チャットボットとAI FAQの相乗効果により、利便性が向上した結果、現場職員の活用頻度も増えた。さらに、未解決率は21%から3.3%に下がり、大幅に精度が向上した。高橋氏は「一度チャットボットで検索してから問い合わせるというケースも増え、回答までの時間・工数は短縮されています。また、同じような内容の電話問い合わせも減少し、個別対応が必要なものに時間が取れるようになりました。以前は会議中にも問い合わせがあり、後で折り返し連絡をするということで、現場職員を待たせることもよくあったのですが、そうした対応は目に見えて減少しました」とその成果を実感していると語る。

高橋氏は「問い合わせ内容・回答が蓄積・共有できるようになったことで、以前のように電話応対者だけにナレッジが蓄積するというケースが減りました。また、データを分析していく中で、問い合わせが多い質問については、マニュアル自体の見直しも行うようになりました。改訂時には問い合わせの内容を反映した追記を掲載するなどマニュアル精度の向上にも役立てています。ツールでのデータ蓄積がなければ、マニュアルのわかりづらさに気づけなかったですね」と副次的な効果も感じているという。

「現場職員のみなさんにとっては『どの部署へ問い合わせて良いか?』『質問するまでのことではないかも…』など、遠慮や質問前の躊躇があったと思いますが、チャットボットではそうした気遣いなく問い合わせができるので、これまで以上に声が届くようになったと感じています」と川島氏。高橋氏も「手軽に問い合わせることができるようになったことで、自己解決率が高まったという手応えもあります」とコミュニケーションツールとしての役割も大きいという。

問い合わせ業務において、今や不可欠なツールとなっているチャットボット、AI FAQについて今後の展望を伺うと、高橋氏は「チャットボットとFAQを見れば、回答にたどり着けるという実感を持っていただくためには、私たち運営側がしっかりとメンテナンスを続けていくことが大事。その点においても、手間をかけずにメンテナンスができて継続運用できるインターフェースはとても重要だと感じています。今後は現場職員のみなさんへの周知をさらに広めながら、より回答精度の高いチャットボットを目指したいですね」と述べた。

川島氏は「自己解決率の向上はもちろん目指すところですが、マニュアルや社内文書を取り込むことで、社員のみなさんの知識強化にも活用できるのでは、と感じました。チームリーダーが、新入社員の指導の際にチャットボットを活用するなど、可能性はまだまだ広がりそうです」と新たな活用方法を見据えている。

東京電力パワーグリッド株式会社

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