より価値の高い顧客サービス実現に向けて、膨大なFAQを『AI FAQ ✕ チャットボット』で一元管理!回答率99%以上で利用率も伸び続けている、その運用スタイルに迫る
真空断熱技術を結集した魔法瓶の製造メーカーとして1918年に創業して以来「暮らしを創る」を企業理念に炊飯ジャー、電気ポットなどの調理家電や、空気清浄機や加湿器といった生活家電などを製造・販売する『象印マホービン株式会社』。美味しくご飯を炊くことにこだわった最高級炊飯ジャー『炎舞炊き』などファンの多い人気を誇る商品が揃っているのも大きな特徴だ。
こうした人気の背景には、『象印マホービン』ならではの“日常生活発想”がある。それは、同社が顧客満足度を高めるためにアフターサービスに注力してきたことにも通じている。ここでは、お客様のお困りごとにより広く深くアプローチできるツールとして選ばれたサポートチャットボットの導入経緯から活用術について迫っていく。
課題
お客様のお困りごとに24時間365日対応することを目指し、従来のFAQシステムではなく、より検索性が高く管理者も負担なく一元管理ができる『AI FAQ✕チャットボット』の検討を開始
『象印マホービン株式会社』のバラエティ豊かな製品の魅力は、その高品質に加えて、顧客が安心して使い続けることのできる充実したアフターサービスにある。近年のWEB経由での問い合わせの増加に伴い着手したのが、ホームページ上のFAQのさらなる活用だった。佐藤氏は「お客様ご相談センターではお電話による問い合わせが中心ですが、ホームページ上の問い合わせフォームの利用も年々増加しており、お客様のお困りごとを、より適格に素早く解決できる策を模索していました。説明書を読む手間よりも、WEBで動画を確認したほうが早くて間違いが減る…機能的な面や使い勝手のことを考えても、ホームページ上のFAQをより充実させて、お客様の自己解決率を促していければ、と考えておりました」と振り返る。
そうした中で出会ったのがサポートチャットボットだった。「チャットボットとFAQの併用はかねてより社内でも声が挙がっていたのですが、二重管理をはじめ、コスト面でも課題がありました。そんな中で、ユーザーローカル社のサポートチャットボットでは、選択型、自由入力型の両方が活用でき、しかもAI FAQと連動が可能なので、一元管理ができてコストもかなり抑えることができるということで“これはいいぞ!”と(笑)」と笑顔をみせる佐藤氏。
運用担当の川岡氏は「Excelを使ったわかりやすいフォーマットに、詳細な導入マニュアルがあり、チャットボット用にシナリオを作ればAI FAQにも反映され、何より2つのツールを管理しなくてよいので、とても便利です。とはいえ、弊社ではFAQが全部で2,000ほどとかなりのボリュームがあり、導入時の作業としてはなかなか簡単ではなかったです(苦笑)。ただ、ユーザーローカル社のサポートがとても手厚く、導入の作業を安心して進めることができました」と話す。
当初は4人のスタッフによる導入作業で不安も感じていたというが、予定通りに導入は進み、2020年11月に運用をスタートすることができたという。「チャットボットの構築など全面的なバックアップをいただけたので、チームで構築を進めていく信頼関係が築けたのは私たちにとっても大きな成果だと捉えています。また運用面で困ったときにはユーザーローカルのカスタマーサクセス担当に気軽に連絡することができるため、日々のサポート体制においてもユーザーローカル社にして良かったと、感じています」と川岡氏。
解決策・運営方法
自動レポート機能や豊富な分析機能によって、仮説から改善までのPDCAがスピードアップ!よりお客様の声に寄り添ったFAQ改善が可能に
サポートチャットボットの導入と同時期にホームページのお客様サポート内にある「よくあるご質問(FAQ)」ページを刷新。チャットボットをページ上部に設置し、その下にAI FAQを設置した(画像1)。製品についての問い合わせの多い同社において、ユーザーの使用感を第一に考えたレイアウトを採用した。
管理画面の使用感についても「クリック一つでPowerPoint形式のレポートが作成できる自動レポート機能はとても便利ですね」と語るのは佐藤氏だ。日々の運用方法について伺うと「弊社では月に一度、“FAQ検討会”を行っています。電気ポットやホットプレートなど各製品の担当者からヒアリングを行い、一方ではコールセンターへ届いた声を集めて、FAQをどのように改善していくかを検討していくのですが、サポートチャットボットを導入してから、より深く改善と解決の糸口をつかめるようになったと感じています」と川岡氏。「今思えば、以前はFAQ分析をして解決策を探して修正する…という流れが正しくできていなかったと感じます。サポートチャットボットでは、機能していないFAQや解決率の低いFAQが一目でわかるので、より的確に原因を探ることができるようになりました。また、サポートチャットボットでは、お客様用のアンケートフォームを表示させることで、様々なご意見を収集できるようになりました」と話す。
例えば、加湿器の取扱説明書では、“置いてはいけない場所”は必ず明記してあるのですが、お客様のご意見や、「解決しなかった」という会話経路を分析してみると、「加湿効率の良い置き場所」を知りたい声が多いことがわかったという。「メーカー側の考えとしては、NGなことをどうしても書かなくてはいけないという思いが強いんですね。ただ、こうしたご意見が多いことも事実なので、効率的な置き場所のFAQをご用意したところ、解決率が改善したので、ユーザーの声をFAQに反映していくことの手ごたえを感じることができました。」と佐藤氏。「FAQは作っておしまいではなく、お客様の声を取り入れながら、変えるべき所はどんどん有機的に変えていく事が大事。こうしたPDCAサイクルがスピーディにできるようになったことで、FAQ運用のレベルが上がったように感じています」。
「カルーセル機能も重宝しています」と語るのは川岡氏。「例えば、弊社商品のランチジャー。私たちが見れば一目で明確に商品の違いがわかるのですが、お客様が見れば、どれも同じように見えてしまうんですね。そうした商品は文字だけで紹介をすると、混乱してしまうのですが、写真つきで掲載することで、お客様にも明確に判別しやすくなります」。
「カルーセル機能をはじめ、使いやすい新機能がどんどん追加されていくのもサポートチャットボットの魅力です。ユーザーローカルさんはサポート面でも契約しておしまいではなく、運用しながら寄り添っていただける伴走者のイメージ。私たちが行っているお客様サポートは商品を販売しておしまいではなく、お買い上げいただいた後のサポートに注力することで、いかに満足度を高められるかが重要だと捉えていますので、とても共感する部分があります」(佐藤氏)
成果
顧客視点のきめ細かなメンテナンスと運用によって回答率は99%以上!さらに利用者数も半年前比でおよそ150%と日に日に増加し、顧客の声を聴く重要チャネルに
顧客視点でのFAQ改善を重ねた結果、回答率は99%以上と高水準を維持。また、利用者数も日に日に増加しており、2022年12月時点で半年前比約150%と大きな成果も見せている。「もちろん、お問い合わせ経路がデジタルシフトしている背景もあるかと思うのですが、利用率と回答率は確実に高まっています。私たちの仕事はお客様の声を聴くことがミッション。電話だけでなく、お問い合わせフォーム、サポートチャットボットとお客様の声をより深く聴く事のできるチャネルが増えたことは大きな成果です」と佐藤氏。
「自動レポート機能はFAQ改善においてなくてはならない機能で、データの見方がわからない人に対しても、明確で理解度の高いレポートがそのまま作成できるフォーマットが搭載されているのは本当にすごいです。必要なデータをカスタマイズもでき、データの社内共有にすごく役立っています。イチから作れば2時間はかかってしまうであろうレポートが10分足らずで作れてしまうので、作業効率もかなり向上しました」という。
川岡氏は「365日24時間回答することができるのも、深夜早朝にかかわらず商品に対してご質問が発生する弊社にとっては、とても大きな成果です。私たちに変わって的確な回答をしてくれるツールなので、よりよいFAQにブラッシュアップしていかないと!という使命感も強いです」と話す。さらに今後は、お客様ファーストの視点から有人チャットの導入も検討しているという。
今後の展望について伺うと、川岡氏は「文字と文章だけではお伝えしきれないことがあることも感じていますので、今後は動画を差し込んだFAQも増やしていきたいと考えています。動画とFAQを掛け合わせることで、より活用の幅が広がると感じています」と話す。
佐藤氏も「理想をお話すると、お客様のお困りごとをいつでも解決できるようにしていきたいと考えています。弊社では製品のユーザー様向けに「ZOJIRUSHIオーナーサービス」(ご愛用者登録サービス)を運営しているのですが、その中でNPS®(ネットプロモータースコア)の向上をKPIに設定しています。そのためには、商品の機能や性能はもちろんですが、アフターサービスが担う役割も大きいと考えています。購入してくださったお客様の声に真摯に耳を傾けることでより満足度を高め、次回のご購入や象印ファンを生み出すことにも繋がると思っています。お客様の窓口のひとつとなるFAQの利便性はとても重要です。今後も、FAQの精度とお客様の満足度を高める運用を推し進めていきたい、そう考えています」と語った。
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