チャットボットサービスの選び方をクラウド・オンプレミス比較で解説

 チャットボットサービスはいろいろなベンダーが提供しており、どんな比較軸でチャットボットサービスを選べば良いのか、担当者の方は悩むことも多いかと思います。どれも同じに見えるチャットボットサービスも、以下の3つのタイプ(システム)に分類すると、自社に必要なチャットボットサービスが見えてきます。

  • セルフサービス型

  • サポート付きクラウド型

  • オンプレミス型

 まずは、この3つの比較軸で、自社に合ったチャットボットサービスを探してみましょう。

チャットボットサービスの3つのタイプ「セルフサービス型」と「サポート付きクラウド型」、「オンプレミス型」とは?

セルフサービス型

セルフサービス型は、数万円ほどで導入することができ低価格が魅力ですが、導入のための各種設定や、シナリオ登録などは自社で実施する必要があります。

不明な点は電話やメールでベンダーに問い合わせる必要もありますが、基本的にはほとんどの工程を自社で行いながらチャットボットの導入を進めることになります。セルフサービス型はほとんどがクラウドサービスですが、同じクラウド型のチャットボットサービスでも、サポート体制の違いが導入・運用のハードルに大きく影響するため本記事では切り分けて解説しています。

サポート付きクラウド型

クラウド型のチャットボットサービスは、チャットボットのシステムを自社のサーバーに置くのではなく、サービス提供側のサーバーに設置されたものを利用するため、導入期間が短く、ブラウザの管理画面ですぐに利用することができます。

セルフサービス型と違い、ベンダー側が導入における細かい設定やシナリオ登録までサポートを行うという特徴があります。ユーザーローカルの「サポートチャットボット」もこのタイプです。

オンプレミス型

自社の指定したサーバーにチャットボットを設置できる仕組みのことです。
現在はあらゆるシステムにおいて、クラウド型のサービスが主流になりつつありますが、セキュリティーに独自の基準を求める企業などでは、クラウド型よりも、オンプレミス型のサービスが好まれることもあります。

デメリットは初期費用が高いことと、導入期間が長くなることです。費用が高く、個別クライアントごとに運用保守の工数が必要となるため、サポート面が充実しているケースは多いと言えます。

チャットボットサービスの3つのタイプの比較図

タイプ セルフサービス型 サポート付きクラウド型 オンプレミス型
初期費用 0円~数万円 数万円~数十万円 数十万円~数百万円
月次費用 0円~数万円 数万円~数十万円 数十万円~
機能
導入期間
サポート体制
セキュリティー

3つのタイプから自社に合う最適なシステムを選ぶ!

企業によって、予算や担当者のスキル、システム環境が違います。この3つのタイプのチャットボットサービスから自社に合うものを選んで導入しましょう。以下の3つの導入例を参考にしてください。

セルフサービス型で、とにかく費用を抑えたい!

最も安い費用で始めるには、セルフサービス型のチャットボットサービスを選ぶのが良いでしょう。ただし、チャットボットを動かすための初期設定は自社で行う必要があります。
このタイプは、自社で徹底的に実装作業を行うことができ、各種設定や効果測定に時間をかけることができる企業に向いています。

最適予算のサポート付きクラウド型で、導入設定もベンダーに任せたい!

最適な予算で、初期設定もベンダーに調整を依頼するのであれば「サポート付きクラウド型」を選びましょう。クラウド型の良いところは、安価で高機能で、しかも導入が早いことです。
通常、チャットボットの初期設定やシナリオ登録などは、チャットボットサービスの導入の経験がないと苦労しますが、導入のサポートがあるので、シナリオ登録もベンダーが調整してくれます。
また、ベンダーの担当者はチャットボットの導入を数多く経験しており、過去の成功事例に従い、成果を最大化してくれるので、ある程度予算があり、チャットボットの最適な設定をベンダーに依頼したいケースに向いています。

オンプレミス型で自社独自のセキュリティー基準に合わせてチャットボットを構築する!

自社独自のセキュリティー基準に合わせるなら「オンプレミス型」です。
セキュリティーが独自基準のため、クラウド環境がNGの企業には最適の方法です。費用がクラウド型に比べて多くなりますが、自社のインフラ環境にあわせたチャットボットを構築できます。また、ベンダーからの手厚いサポートも受けられるため、初期設定もベンダーと一緒に進められます。

チャットボットサービス選定時に確認すべき5つのポイント

ポイント1ベンダーからのサポートが受けられるか

せっかくチャットボットを導入しても、うまく設定ができなかったり、シナリオ登録ができないことがあります。また、チャットボットを公開してもユーザーの利用率が高まらないこともあります。そのような場合、適切な知見に基づいたベンダー側のサポートが必要となりますが、メールや電話のみのサポートでは限界があります。

チャットボットを導入して成果を確実に出すためには、専任のカスタマーサクセスチームがあり、しっかりサポートが受けられるサービスなのかを事前に確認するべきです。ユーザーローカルのサポートチャットボットでは、営業担当だけでなく、数多くの企業に対してチャットボット導入を支援し、成果を出してきた専任のカスタマーサクセスチームがしっかりサポートします。

ポイント2すぐにチャットボットを公開(リリース)できるか

例えば、ディープラーニングを用いたAI型のオンプレミス型のチャットボットは、機能が豊富ですが、AIの設定やチューニングなどで公開(リリース)までに半年以上の期間がかかることもあります。

チャットボットにおいては、早期に公開(リリース)し、その上で運用しながら改善していくフェーズが最も大切となるため、チャットボットを公開(リリース)するまでの期間が短いかどうかが非常に重要です。弊社のサポートチャットボットであれば、約一ヵ月程度で公開(リリース)することができます。

ポイント3AIは搭載されているのか

安価なセルフサービス型のチャットボットは「シナリオ型」という会話エンジンを使っていることが多く、ユーザーが質問を自由入力するタイプの質問方法では、AIが搭載されていないため正答率が高まりにくいという傾向があります。

弊社サポートチャットボットでは、「シナリオ型+AI」というハイブリッド型の会話エンジンを使っているため、自由入力された際、AIがユーザーの会話履歴を機械学習し、自ら最適な回答を探し出せるように成長していきます。

ポイント4日本語を適切に自然言語処理できるか

海外製のチャットボットには、日本語を適切に言語処理できないものもあります。

なぜなら、海外製のチャットボットは英語が前提で作られており、英語の場合は少しくらい表現に違和感があっても伝わりますが、日本語の場合は「てにおは」が異なれば大きく意味が異なるため変な回答をしてしまうことがあるのです。

サポートチャットボットは、日本人のAIエンジニアが開発した自然言語処理エンジンを使っており、また、SNSのビックデータを利用することで、日本語の微細な表現の違いにも対応可能です。

ポイント5チャットボットの運用ノウハウがあるか

チャットボットの導入・設置・運用には、ユーザー利用率や、正答率を高めるための独自のノウハウが存在します。

例えば、チャットボットの設置場所の違いは利用率に非常に大きな影響がありますが、企業の業界やターゲットユーザーのリテラシーなどの属性によって最適な設置場所が違います。導入社数が多いだけでなく、実際に成果を出した事例が豊富なベンダーには、業界やエンドユーザーの属性ごとに最適化されたチャットボットの運用ノウハウが蓄積されています。

サポートチャットボットは、今まで数百社以上の導入実績があり、中小企業から大企業まで、あらゆる業界のチャットボットを導入を支援して数多くの成果事例があります。そのなかで蓄積したノウハウを活かし、各企業に最適な提案をすることが可能です。

サポートチャットボットの導入事例一覧はこちら

チャットボットの選び方は、自社の課題から見つける!

チャットボットをただ導入しても成果が出るわけではありません。チャットボットを導入する前に自社の課題がどういった点にあるのかを箇条書きでよいので、整理してみましょう。

導入前の課題例

  • ECサイト経由の問い合わせ数が増えてきて、スタッフの負荷が高まっている
  • コールセンタースタッフの残業時間が長くなっている
  • 新しい社員が増えて、総務への問い合わせが増えている
  • 問い合わせログから、ユーザーの傾向をつかんでサービスの改善につなげたい
  • ECサイトのコンバージョン率が低い

このように、課題を箇条書きにすると、それに対応するチャットボットや、事例があるチャットボットを選ぶのが良いでしょう。また使い勝手の面は、運用において大切な要素です。管理画面のデモや、無料トライアルがあれば、事前に管理画面をチェックしておきましょう。

費用の違いがあるのはなぜ?

クラウド型には、月額数万円から導入できるサービスもありますが、その場合は、管理画面で、自分達でシナリオ(Q&Aデータ)作成を行わなくてはならず、チャットボットの運営の主体は自社のみになります。したがって、チャットボットの経験やノウハウをゼロから自社で積み上げていかないと、チャットボットを上手く運営することができません。

それに対して、月額数十万円程度のクラウド型のサービスは、企業のニーズをヒアリングし、それを元にシナリオ作成を整理し、チャットボットベンダー側が主体でチャットボットを作成するので、ノウハウがあるため効果が出やすく、企業とベンダーが伴走して運営を行います。

このように、チャットボットベンダーがどこまで協力してくれるのか?という点も、チャットボットを選ぶうえで極めて重要になります。

チャットボット導入前に他の部にも声がけをしよう

せっかくチャットボットを導入するのですから、一つの部門だけで使うのは非常にもったいないことです。もし、あなたが人事部門でしたら、総務部門などにも声をかけて、社内用の問い合わせチャットボットなどの需要があるか、部門間で連携をとりましょう。複数の部署で、チャットボットを使うことができれば、費用対効果が良くなり、投資を回収しやすくなるからです。

ただし、ECサイトやサービスサイトを管理するマーケティング部のように、社外に対してチャットボットを使う場合は、社内とアカウントを兼ねることができないので、ここでの話は、人事部と総務部など、社内向けにアカウントを一つで行うケースに限った話になります。

自社で実現したいことに近い事例からチャットボットサービスを選ぼう!

自社で実現したいことがわかったら、それに近いチャットボットの活用事例があるチャットボットサービスを選定してみましょう。以下は、弊社ユーザーローカルが提供するチャットボットサービス、「サポートチャットボット」の事例ですので、参考にご覧ください。

サポートチャットボットの導入事例(抜粋)

サポートチャットボットの導入事例一覧はこちら



また、チャットボットを一から知りたい方は以下をご覧ください。
【全解説】業務効率を35%も改善!チャットボットの事例・価格・選び方