コールセンターにチャットボットを
導入する時の7つのポイント
自社で抱えているコールセンターの問い合わせ数に頭を悩ませている担当者は非常に多いです。コールセンターの問い合わせが多くなれば、問い合わせ対応のために他の業務が後回しとなり、結果としてスタッフの残業が増えてしまいます。
そして残業が増えれば、職場環境の悪化や離職率の増加を招き、全てが悪循環となってしまいがちです。そうならないために、コールセンターの問い合わせ対応のためにチャットボットを導入する企業が増えており、現に弊社のクライアントではチャットボットを導入し、問い合わせ数を半減させた事例も多くあります。
本日は、ユーザーローカルで営業を担当者している筆者が、コールセンターでのチャットボット導入するための7つのポイントについて詳しく解説してまいります。
チャットボットの成功事例「導入2ヵ月で問い合わせ数が半減!」
以下は、弊社のサポートチャットボットを導入した株式会社オールアバウトライフマーケティング様の事例ですがチャットボットを導入した結果、メールでの問い合わせ数を半減させることができました。
- メールでの問い合わせ数が導入2ヵ月で50%に激減した
- 返信に要する時間を3日→0.5日に短縮
- サービスの品質向上
このサイトは問い合わせが非常に多く、コールセンターの電話が繋がりづらい状況が発生していました。電話が繋がらない状況ですと、今度はメールでの問い合わせ数が増え、そのメールの返信に時間がかかると、さらに電話問い合わせが増えるという悪循環に陥っておりました。そういった状況を改善するために、チャットボットを導入を行いました。
ただチャットボットを導入するのだけではなく、質問内容によって「チャットボットが回答するか?」「有人対応するか?」など担当の切り分けを行ったり、FAQページからすぐにチャットボットにアクセスできる導線を作るなど顧客目線でチャットボットが最大限に使われるための工夫を行いました。
さらに細部にいたっては、「チャットボット」という言葉になじみのない方のためにも「お客様サポート」と言い換える工夫も行いました。
こういった取り組みにより、問い合わせ数が半減し、顧客対応のクオリティー向上につながっていったのです。当事例を詳しく知りたい方は以下の事例ページをご確認ください。
Support Chatbot導入事例導入わずか2ヶ月でサンプリングサイトの問い合わせ数が半減!有人チャットで顧客の声をダイレクトに把握し、サービス品質も向上。
このように、チャットボット導入によってコールセンターへの問い合わせ数を大幅に減らすことができるのです。
それでは、コールセンターにおけるチャットボット導入のポイントを5つに分けて詳しく解説してまいります。
ポイント1チャットボット導入の費用感は「クラウド型」か「オンプレミス型」で変わる!
チャットボットの費用感は、クラウド型を選ぶか、オンプレミス型を選ぶかでずいぶん費用が変わってきます。以下の図をご覧ください。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
機能 | ○ | ○ |
導入期間 | 1ヶ月程度 | 1~2ヶ月 |
初期費用 | 数万円~ | 100万円~ |
月次費用 | 数万円~ | 数十万円~ |
クラウド型の費用は初期費用・月次費用が数万円程度と安く済みますが、オンプレミス型だと初期費用だけでも100万円以上と、大きな費用感になってしまいます。しかしクラウド型とオンプレミス型の言語解析エンジンに明確な差があるわけではないため、費用の違いがチャットボットの精度に関わるわけではありません。
オンプレミス型の長所は、自社のシステムやセキュリティー基準に合わせてカスタマイズできることであり、独自のセキュリティー基準や、オンプレミス環境しか許容できない企業であれば、オンプレミス型しか選択肢がないため、費用が高くつくのです。
また、チャットボットに限らず、多くのシステムで費用対効果の高いクラウドシステムを使うのが主流になっており、費用面では大きなメリットがあるのです。
弊社のクラウド型のサポートチャットボットについては以下のページをご覧ください。
ポイント2チャットボットがコールセンターの人手不足を解決する!
人手が十分にあるコールセンターは非常に稀で、慢性的に人材不足な業界と言えます。少子高齢化社会だけが原因ではありません。コールセンターは労働集約的な仕事であり、採用活動をしても非常に人が集まりにくい状況なのです。以下の円グラフをご覧ください。
2016年と少し前のデータではありますが、全体の74%の企業が人材の採用が足りていないと感じているのです。こういった背景もあり、チャットボットの導入はコールセンターでは進んでおり、特に以下のような業界でのコールセンターにチャットボット導入が進んでいる印象です。
チャットボット導入が進む業界
- 化粧品業界
- 健康食品
- 人材業界
- 通信サービス
- ネットコンテンツ
このような業界は非対面の事業が中心で、ECサイトやWEBサービスを展開しており、チャットボットの導入と非常に相性が良いのです。
電話対応が中心ですと、電話台数分の人手が必要になってきますが、チャットボットでは何人分であっても補うことができ、人が対応しなくても、同時複数対応できる点が、チャットボットの大きなメリットとなるのです。
コールセンターの人手不足を防ぐ2つの手段として、
①既存スタッフ離職の抑制
②既存スタッフのパフォーマンスの最大化
この2つがあげられますが、チャットボットを導入することで、スタッフの労力を下げて、負担を下げた分パフォーマンスを改善することにつながるので、人手不足解消のための好循環を作り出すことにもつながるのです。
ポイント3新人スタッフへの教育にもチャットボットはコールセンターで重宝されている!
チャットボットの効果は、問い合わせ数を削減することだけではありません。新人スタッフの教育にも非常に役に立つのです。入社したばかりのスタッフにトレーニングを行いますが、一度で業務を把握できるものではありません。しかし、チャットボットがあれば、不明点をチャットボットですぐに、何度でも一人で確認することができます。
特に金融業界など、法律がよく変わる業界では、ベテランの社員も最新の情報を確認するためにチャットボットに確認するケースが多々あります。
チャットボットがあれば、新人スタッフも、電話問い合わせに対してチャットボットで正しい最新の情報を確認しながら、自信を持ってお客様対応できるので、上司や先輩社員へのエスカレーションや確認の負担を減らすこともできるのです。
ポイント4チャットボットでVoCを分析してサービスを改善する
チャットボット導入による効果はまだあります。それはチャットボットを導入することで、顧客の問い合わせ内容がログとして残るので、それらのデータをもとにVoC分析を行い、サービスの改善につなげやすくなる点です。
もちろんチャットボットを導入していなくても、コールセンター業務では、顧客との問い合わせ内容をオペレータが残すのが通常ですが、人手を介している以上、主観が入ったり、問い合わせ内容が一部抜けることもあります。
チャットボットであれば、VoCが自動的にそのまま残り、本社社員がより精緻にデータを取得することができるので、顧客本位の改善を作りやすい環境が整います。
ポイント5チャットボットの導入で、有人対応(エスカレーション)はどのように行うべきか?
チャットボットは定型的な質問に答えることは得意ですが、複雑な質問に答えることは苦手です。そのためチャットボットを導入しても、複雑な質問やチャットボットのシナリオに用意していない質問に対しては、有人で対応する必要があり、以下の四つの方法があります。
有人対応(エスカレーション)の一覧
- 有人チャットへ切り替える
- 問い合わせ先のメールアドレスをチャットボットに表示する
- 問い合わせフォームへのURLをチャットボットに表示する
- 電話番号をチャットボットに表示する
もし、既存のコールセンターで使用している他システムとをシームレスにつなぎ込みを行いたいという場合は、オンプレミス型を導入して、カスタマイズを行うことになります。
ポイント6前回の問い合わせ顧客のチャットログを確認して、顧客満足度を向上する!
顧客の中には、繰り返し問い合わせる方も多くいます。繰り返し問い合わせる方の中にはロイヤリティが高い方も存在します。そういった方に高い満足度を感じてもらうためには「前回の問い合わせ内容」がチャットログとして残っていることがベストと言えます。
例えば、最初はチャットボットが応対し、2回目はエスカレーションで有人チャット対応になったときでも、最初のチャットでの問い合わせログがわかった方が、有人チャットでもスムーズな対応をすることができます。
そのために、導入するチャットボットでは、
- チャットログを保持
- 前回チャットログとの紐づけ
が顧客満足度を高めるためには必要になってくる機能なのです。ちなみに弊社の「サポートチャットボット」では自動的にユーザー毎にIDが振り分けられたり、すでにお持ちの顧客IDと連携することが可能ですので、前回チャットログとの紐づけを行うことができます。
ポイント7チャットボットを導入したら、アイコンにキャラクターを使おう!
問い合わせを行う顧客の中には、緊急の場合であったり、感情的になっているケースも多々あります。しかし、機械的なチャットボットに「キャラクター」を採用することで、感情的な気持ちが和らいだりするという声を多くいただきます。
エスカレーションの際の、スタッフの心的負担を減らすためにも積極的にキャラクターを採用してみるべきでしょう。多くの会社では「会社名をもじったキャラクターを採用」したり、以下の弊社の事例では、「エコ配ちゃん」という名前をつけております。興味ある方は以下のリンク先もご覧ください。
キャラクター事例:エコロジー&エコノミーな新発想の格安宅配便のエコ配